台風10号被害額 大分県内368億円超 うち道路や河川など約252億円
台風は30日午後6時現在、大分県内から遠ざかっていますが記録的な大雨によって道路の冠水や住宅の浸水、土砂崩れなど各地で被害が相次いでいます。
29日からの各地の状況をまとめました。
「史上最強クラス」とも表現された台風10号は29日、九州に上陸しその後、県内を横断しました。
◆TOS児玉直輝記者
「佐伯市蒲江。激しい雨とともに立っていられないような風が吹いている」
県内ではきのうの朝、線状降水帯が発生
◆TOS牧野夏佳記者
「別府市の県道11号、別府一の宮線。 別府ロープウェイに向かう道路、水があふれて滝のようになっている」
降り始めからの雨量が平年の8月の2倍以上となった所もあるなど、各地で記録的な大雨にー。
そして、30日になって台風の爪痕がさらに明らかになってきました。
◆TOS鹿島佑里記者
「日出町の広域農道です。土砂崩れが発生し完全に道路が塞がれている」
道路の被害はこのほかにも…
◆TOS渡辺一平記者
「由布岳パーキングエリア入り口。 大規模な土砂崩れが発生し、本線にも大量の土砂が流れこんだということです」
大分自動車道では、由布岳パーキングエリア近くの山の斜面が崩落し、広範囲に渡って土砂が流れ込みました。
人的被害はありませんでしたが復旧のめどは立っていないということです。
また、由布市湯布院町の県道・別府一の宮線ではきのう夕方、道路が幅およそ3メートルに渡って陥没し現在も全面通行止めとなっています。
大雨による建物への被害も相次いでいます。
こちらの住宅には大量の水と共に伐採された大木が押し寄せました。
◆住民は
「川と道が一緒になっていた。たまがった。驚いたしかなかった」
泥のかき出しに追われているのは大分市の大分自動車学校です。
29日は教習コース一面が水に浸かり車などにも被害が出ていて教習所は当面、臨時休校となります。
◆大分自動車学校山中直也校長
「検定業務とかかなり教習生、また講習を受ける人には迷惑をかけたのでできるだけ早い復旧ということで職員一同力を合わせて頑張っていく」
佐伯市の放課後児童クラブでも関係者が片付けに追われていました。
◆児童クラブの職員
(Qこちらの方の中が、全部水浸しになったんですか)
「全部ですね。高さとしては、ちょうどこのくらい30cmちょっとは浸かって。色んなものがプカプカ浮いていたという状態ですね」
児童130人が利用するというこちらの施設、当面は近くの小学校に場所を変えて運営するということです。
◆TOS 児玉直輝記者
「こちらでは地元の消防団が鶴岡小学校の通学路をきれいにしています」
同じく佐伯市内では消防団が道にたまった土砂を撤去する姿が見られました。
一方、こちらは由布市の釣り堀です。
釣り堀に泥水が流れ込み、中にいたヤマメやニジマスはほぼ全滅したそうです。
◆お店の人
「(今後は)色々な情報を収集しながら水害の対策をしていきたい」
◆TOS 児玉直輝記者
「佐伯市の蒲江の港では、漂流物の撤去作業が行われ、 ご覧のように木や草が山積みになっています」
佐伯市の港には大量の流木や草が流れ込みました。
漁協の関係者などが重機を使った撤去作業を行っていますが漁の再開は9月1日になる見通しです。
◆漁協の関係者
「魚が入った生簀がありますけど、心配でした」
「台風の雨と風と長かったです。 台風足が遅いからずっと、こんなの8月初めてです」
台風の影響はこんなところにも…。
◆TOS藤村晃輝記者
「今回の台風はこの時期の風物詩にも影響を及ぼしている。 豊後高田市の観光スポットではヒマワリがなぎ倒されている」
豊後高田市の長崎鼻リゾートキャンプ場です。見頃を迎えたおよそ160万本のヒマワリが根こそぎ倒されてしまいました。
◆長崎鼻リゾートキャンプ場 近藤哲憲理事長
「来年からもう少し違う方法も、 秋の10月中旬ぐらいに咲くような感じで植えるのも手かなと思いながら」
一方、別府市内の飲食店では週末に予定されていた別府温泉ぶっかけフェスでおよそ1000食分のホルモンを提供する予定でした。
しかし、台風の影響でイベントの中止が決まり店では大量の在庫を抱えることに。
◆別府ホルモンひめの姫野孝店長
「生ものなので足が速い一週間持たないので廃棄する可能性は出ている。結構大きく(打撃)受けていますけどこれも商売だなと思って」
各地に爪痕をのこした今回の台風10号ー。国や県などが詳しい被害状況の調査などを進めています。