天皇皇后両陛下から漁業者に手渡された「イサキの稚魚」など 記念放流 大分
10日に大分市などで行われた「全国豊かな海づくり大会」。大会にあわせて9、10日の両日、天皇皇后両陛下が来県されました。
大会へのご出席の様子など振り返ります。
10日に開催された第43回全国豊かな海づくり大会。
水産資源の保護や水産業の振興を目的に各都道府県の持ちまわりで開催され第1回大会は43年前に大分県で開かれました。
9日、大会ご出席のため、2019年のご即位以降初めて来県された天皇皇后両陛下。
国東市にある県の種苗生産施設の視察では別府湾で獲れたマコガレイをご覧になり漁業者から説明を受けられました。
「青年部とおっしゃいましたね、何人くらいですか」
「代々継がれていらっしゃる形ですか」
このほか、温暖化による漁獲量の変化などについて尋ねられたということです。
その後、両陛下は大分市に移動し海や環境保全に関する絵画と習字のコンクール入賞作品をご覧になりました。子どもたちによる作品の説明には終始にこやかな表情で耳を傾けられました。
そして10日、全国豊かな海づくり大会の式典に出席され天皇陛下がお言葉を述べられました。
「人々の海や水産業への関心と理解がより深まり豊かな海づくりの輪が、ここ大分の地から全国へそして未来に向けて大きく広がっていくことを願い私の挨拶といたします」
また式典では大分市の大道小学校2年、中園瑛斗くんが「ぼくたちの海をまもろう」と題した作文を読み上げました。
◆中園瑛斗くん
「海の生き物は一度絶滅してしまうともう二度と戻ってくることはありません。僕たちは絶滅しそうな魚たちを守ることができるはずです」
ご退席の際、皇后さまは中園くんにジャケットについていた魚のピンについて「素敵ですね」とお声がけし「これからも魚についてよく勉強してくださいね」と伝えられたということです。
その後、別府港での放流行事に臨まれた両陛下、雨模様でしたが41隻の漁船による歓迎を受け笑顔で手を振って応えられました。
この日は43年前に第1回大会が開かれた 佐伯市の松浦漁港でも同時に放流行事が行われ、両陛下はこの中継画面をご覧になりながら子どもたちの合図でマダイの稚魚を放流をされました。
そして10日夜、両陛下は大分を離れられました。
盛況の中で幕を閉じた全国豊かな海づくり大会。来年は三重県で開催されます。