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玖珠町に住むアメリカ人の男性、トレバー・スレビンさん。
祖父は元兵士で、原爆投下後間もない長崎の写真を残していました。
5月、トレバーさんはアメリカから訪れた家族と長崎をまわり、祖父の足跡をたどりました。
◆トレバーさん(2021年、小学校での平和授業)
「原爆は広島と長崎に落とされた」
アメリカ出身のトレバー・スレビンさんです。
普段は玖珠町の小学校で外国語指導助手=ALTとして英語を教えていますが、平和に関する授業を行うことも。
子供たちに説明したのはトレバーさんの祖父が残した原爆投下後間もない長崎の写真です。
トレバーさんの祖父のキャロルさんは元アメリカ海兵隊の兵士です。
長崎には原爆投下の翌月に赴任し、写真は当時撮られたものとみられています。
トレバーさんは自分が生まれる前に亡くなったキャロルさんのことを知ろうと、度々、長崎を訪れては協力者とともに写真の撮影場所の特定を進めています。
ゴールデンウィーク、トレバーさんは長崎空港にいました。
一緒にいるのはアメリカからやってきた両親と兄、新型コロナの影響で3年間延期されていた家族の来日が今回ようやく実現しました。
祖父・キャロルさんの写真が撮られた場所を案内する予定です。
◆トレバーさん
「すごいね、この日が来るって。(写真を見せる)本物。けっこう小さいね」
家族はアメリカから実物の写真を持ってきてくれました。
◆トレバーさん
「あの山を見て。そして、写真のここ」
◆兄・チャッドさん
「ここだね」
トレバーさんは地形などを参考に撮影場所を特定したことを説明します。
父親のメルさんは感慨深い様子で話を聞いていました。
◆トレバーさん父・メルさん
「私の父は78年前にここにいた。本当に信じられない気持ち」
ほかにも案内したい場所が…それは原爆資料館です。
◆トレバーさん
「アメリカ(での情報)はすごくアメリカ中心。日本からの見方を(家族は)多分今、分かってくれた」
◆母・シンディーさん
「もう二度とこんなことに関わらなくて済む道があることを願っている」
家族にとって特別なものとなった長崎への旅…
そのきっかけとなった写真を残した祖父・キャロルさんは悪夢にうなされるなど、長年戦争の後遺症に苦しめられたといいます。
自分自身は戦争について多くは語らなかったものの、写真が何よりも平和の大切さを家族に伝えています。
◆トレバーさん
「いまだに戦争も爆弾もある。だけど、私は希望を持とうとしている。その気持ちは祖父の写真が撮られた場所に行ってみて感じた。私たちは(戦争について)忘れない人でありたい」
トレバーさんは今後、祖父の写真を題材に講演などを行い平和の大切さを伝える活動もしていくということです。