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92歳で今なお現役の鍛治職人、大分県杵築市に住む河野忠喜さんをご紹介します。
一つのことを極めた職人の言葉、そして人生の先輩の言葉、味わい深いものがありました。
鍛冶職人 河野忠喜さん92歳
(昭和6年6月12日生まれ。九重町出身博多、日田、大分、別府、杵築で修行)
ーー河野忠喜さん
<職人の大事なこと>
「(この道に入って)70年ぐらいになります。職人ち言えば、やっぱり大工に限らん、鍛冶屋でもいっしょじゃきど、やっぱりよそ行ってみらんと(いろんなところで修行をすることが大事)」
河野さんがこの道に入ったのは刀をつくりたかったから…
1988年(昭和63年)には文化庁「刀匠」に認定。
日常は「包丁」や「くわ」や「鎌」などを作っている。
ーー河野忠喜さん
<職人としての喜び>
「お客さんが品物を買うて帰って、ああ、河野は高かったけど、よかったなぁっていうのがこれじゃ!(鼻が高いですのポーズ)」
この日作っていたのは「三徳包丁」…河野さんの魂が鋼に込められる。
杵築市「ふるさと納税」の返礼品にも採用されている。
ーー河野忠喜さん
<職人に大事な…向上心>
「もちろんいいものを作って売らないとわるいけど、あとになって、やっぱり、ああしちょったからよかったんかな、ほんなら今度はこれで褒められたからこう作ろう、仕事をせんでも一段二段とじわってあがって、心であがるというのを持っとかんとしょうがないんじゃないか」
12年前、妻に先立たれた河野さん。
1人暮らしだが、近くに住む2人の娘が時折、駆け付けるという。
ーー河野忠喜さん
<時代の変化 職人が必要のない時代に>
「ほんとの職人っち言うのは今はほとんどない、私たちもへたくそじゃけど、もうこういう時代になったんじゃねえかな。職人がいらんと」
河野さんが今、感じることは…
ーー河野忠喜さん
「あんまり考えすぎると前に進まれん。あんまり考えたらなんもできん。そじゃから、いけしこ行けと。貧乏してもいい、正直なもんが勝ちじゃと思う。今頃になって」