
大量購入!
観光客の皆さんを虜にするとっておきの手みやげは?
大分が誇る伝統銘菓 生姜の風味がたまらない「臼杵煎餅」
オープン3時間前。工場では既に作業が始まっていました。

工場内には香ばしい香り。
最初に見せていただいたのは、「焼き」の工程


担当の油布さんは、焼き具合とサイズを確認していました。
機械を使った作業と言えど、「目」での確認が欠かせません。
かたい食感が特徴の臼杵煎餅は、今から400年ほど前、参勤交代の際の保存食として生まれたと言われています。
でもこの臼杵煎餅、出来立ての3秒だけは驚くほど柔らかいんです。
私もいただきましたが、「柔らかい!」と感じられるのは、ほんの一瞬のこと!2口目には既に、パリッパリの食感へと変わっていました。出来立てもまた、素朴な甘さがたまらないんです・・
工場内では、その食感を体験することができますよ♪


臼杵煎餅最大の特徴は「生姜の味」生地を作る際、大分県産の生姜パウダーをたっぷり練り込んでいくのですが・・・

この生姜パウダーの香り、思わずむせてしまうほどスパイシー!
まるで、胡椒を吸ってしまった時と同じ感覚。
かき混ぜる前の蓋閉めはマストなんですって。生姜だけに作業も甘くない・・・

こちらでは、コーティングに使う生姜ダレを作っていました。
材料は生姜の果汁とお砂糖のみ。元々臼杵市は生姜で栄えた町。九州一の産地として明治大正時代は本州や朝鮮半島に出荷するほど生産が盛んだったのだとか。


これだけ手作業だと、味見をするのかな〜なんて思いますよね。
この道30 年の熟練さんによると、味見をしなくても、タレをお煎餅に塗っただけでその濃さがわかるそうなんです。
綺麗な刷毛目が浮き出てきた時、これがちょうどいい濃さなんだそう。


この線を生むのが、タレを塗る「りんかけ」という作業。
臼杵の「臼(うす)」の木目をイメージした模様が専用の刷毛で描かれていきます。この模様には臼杵を象徴するお菓子になってほしいという作り手の愛が込められていました。


一枚一枚に愛を込める・・・
聞けばここ、スタッフの多くが主婦なんだとか。

ーー佐々木さん
私のような年配の方でも元気やったらいくつになっても、おってくださいと言ってくれるその言葉がありがたいんです。
ーー吉谷さん
一番年寄りで70歳ですよ!
働きやすい環境が、第二の家庭のような場所を生んでいました。


ここでは、なんの作業をしているんでしょう。
聞けば、生姜ダレを塗る際に使用する「刷毛」を作っているとか。
そう、この刷毛も手作りだったんです。元々は、「しゅろ」という竹ぼうきのようなものを使用していたそうなのですが、衛生面などを考慮し素材を変更。
カタチは残しつつも、改良を重ね、道具も少しずつ進化をしていました。
聞くとこの刷毛、ブラシの本数に決まりはないのだとか。
ということは・・・
お煎餅に描かれる模様に同じものはないということ!
細くて美しい線もあれば、太くてしっかりとした線のものも。模様に作り手の個性を感じられるって面白い♪
工場から車で10 分。
案内された場所では臼杵煎餅を包む箱作りが行われていました。
箱までも自社製作だったって皆さん知っていましたか?


スタッフはわずか3人。
厚紙をカットして、折り込むための目安の線を入れて外側の包装紙をノリで綺麗に貼り付ける・・・これぞ職人技!
丁寧な作り手の思いが皆さんに届きますように♪

最後に、五代目社長にお話を聞きました。
ーー後藤亮馬さん
今回コロナ禍で、私たちはなんのために事業をしているんだろうと自問自答するいい機会になったなと思っておりまして。
改めて私たちの真心の手仕事、これを通して一人でも多くの方においしい笑顔を届けたいと思うようになりました。
そのためにはこの臼杵煎餅をもっともっと知ってもらえる努力をしなければいけない。老舗といったところにとらわれない色んな発想で新しい挑戦を続けていきたいと思っています。
31歳の若社長。
古き良き伝統を残しながらも新しいことに挑戦する・・・
不易流行の精神を大事にする姿は、今後の臼杵煎餅のさらなる発展を先読みさせてくれるような時間でした。
最近では、生姜の自社栽培を始めたの出そう。
お店の前にあるプランターでも育てているそうで小さな芽が顔を出していました♡
進化を続ける後藤製菓の臼杵煎餅。これからも本当に楽しみですね。