日本一の看板猫が大分に?すご~い猫ちゃん大集合SP 大分
■大分県で活躍する書道家・吉野由紀さんとは
書道家として活躍しながら書道教室の運営を行っている、吉野由紀さん。
9年間の教員生活を経て、3年前に独立し、大分市、由布市で書道教室を展開中。
ときには静かに繊細に、 パフォーマンスでは力強く豪快に。
各地で個展やイベントパフォーマンスを開催するなど、今、注目の女性書道家なのである。
■実は・・・
吉野さんは、全国初のあるプロジェクトをスタートさせたという。
TOSテレビ大分の柴田真里アナウンサー(書道歴約20年)が取材した。
実は吉野さんは柴田アナにとって、大分高校書道部の先輩。柴田アナが在学中に教育実習生として来ていたのが吉野さんだった。
■吉野さんが始めたプロジェクト
吉野さんが運営している「よしの書道教室」の新たなプロジェクトとは・・・
去年7月に立ち上げたキッズ書道パフォーマンスチーム。チーム名は「よしのフェアリーズ」。
■学生に人気の「書道パフォーマンス」
書道パフォーマンスは、音楽に合わせてダンスや手拍子をしながら、チームで大きな作品を作り上げるというもの。
「日本一の紙のまち愛媛県四国中央市」では、高校日本一を決める「書道パフォーマンス甲子園」が開催されるなど、
高校生の年代には特に人気のコンテンツなのだ。
そんな中で立ち上げられた、キッズのパフォーマンスチームは 全国初だという。
■キッズならではの「指導の工夫」
◆書道家 吉野由紀さん
「私自身が、書道教室をしながらパフォーマンスをする中で、子どもたちからやりたいという声があがりました。大変だろうと思いましたが、せっかくやれる環境があるので始めました」
教員時代には、指導者としてチームを 「書道パフォーマンス甲子園」日本一に導いたこともある吉野さん。
ただ小学生となると少し勝手が違うそうで・・・
「高学年だったらある程度は言葉で伝わるけど、1年生は筆や墨の扱い方からかみ砕いて言ってあげないといけないので工夫が必要です。(子どもたちの)集中力が短い中でどれだけ伝えられるか、時間と体力の勝負です。」とのこと。
■書道パフォーマンスによる嬉しい効果
チームの講師は吉野さんを含めて4人。
講師陣で「ああじゃない」「こうじゃない」と相談しながら、子どもたちを指導し、パフォーマンスを作り上げていく。
そんな中で、こんな成果も。
◆吉野さん
「子どもたちの空間認知能力や文字の大きさ、力強さが向上し、パフォーマンスだけではなく習字もすごくうまくなりました」
パフォーマンスの華やかさや楽しさだけではなく、子どもの成長にとってもプラスの影響を感じているそう。
■「習字」と「書道」何が違う?
さて、みなさんは「習字」と「書道」の違いをご存じだろうか。
吉野さんによると、
「習字は、国語科(小中学校)のイメージ。きれいな字を書くことが目的で、書道は芸術科(高校)のイメージ。書で表現することが目的」
ということらしい。
■吉野さんの専門は
吉野さんの専門は、平安時代に発展した「かな」というもの。
柴田アナの専門も「かな」ということだが、 ちょっと素人にはわかりにくい奥深さがあるらしい。
◆TOS 柴田真里アナ
「筆に墨がたくさんのっている状態から、段々かすれていく。渇筆(かっぴつ:墨をかすれさせる技法)の線の美しさが魅力」
◆吉野さん
「たとえば山であれば、近いと濃いし、遠いと薄く書くことで、奥行きがわかります。
そんなイメージで、墨のかすれや余白で書の立体感をつくります。日本にしかないものだと思いますね」
■とにかく書いて結果を出してきた
幼いころから書道に触れていた吉野さん。
高校時代には書道漬けの毎日を過ごしながら、これまで全国トップクラスの成績を残してきた。
◆吉野さん
「賞を取りたくて、同級生や先輩後輩にも本当に負けたくなくて。とにかく書いて結果を出していました。墨色の青春ってよく言いますね」
■書道パフォーマンスのパイオニア
◆吉野さん
「大きな筆で大きな紙に書くというのは、先輩方がやっていました。でもそれを何人かでやるとか、曲に合わせてとか、ダンスもあわせて踊るというのは私たちが先駆けだったんです」
吉野さんの下の代から書道パフォーマンス甲子園が始まった。
書道パフォーマンス甲子園の第1回大会は2008年。
参加校は「大分高校」「三島高校(愛媛)」「五日市高校(広島)」の3校。
そんなパイオニアが全国に先駆けてつくったのが「よしのフェアリーズ」なのだ。
■特別にパフォーマンスを披露
特別に、吉野さんには番組オリジナルのパフォーマンスを披露していただいた。
柴田アナも当時を思い出しながらコラボレーション。
テンションが上がりすぎたあまり、吉野さんの顔には墨がついていた。
全身で書道を楽しむその姿は、見ているこちらを元気づけてくれる。
吉野さんと、よしのフェアリーズの更なる活躍を願う。