『完ぺきな打ち上げを目指したい』大分の宇宙港 計画中の米企業が描く理想とは 

2022年05月17日 17:00更新

大分空港を宇宙港として活用し、人工衛星の打ち上げを計画しているアメリカの企業ヴァージン・オービット社の最高戦略責任者・ジム・シンプソン氏に打ち上げの時期などを聞きました。


ヴァージン・オービット社は人工衛星を搭載したロケットを飛行機から宇宙空間に向けて発射する「水平型打ち上げ」をアジアで初めて大分空港で計画しています。

 

訪問の目的は「顔と顔を合わせて話すこと」

 

 

ーー今回の来県の目的は?


◆ヴァージン・オービット社 最高戦略責任者 ジム・シンプソン氏
「国内の衛星事業者や関係省庁との打ち合わせなども含めて今回の来日に至った。日本には1週間半の滞在だが、実りある時間になっている。顔と顔を合わせて、大分県、ANA、スペースポートジャパンと話したかった」

 

ヴァージン・オービット社は2022年の夏頃にイギリスのコーンウォールで、初めてアメリカ以外での打ち上げを予定していて、その後に控えている大分でのスケジュールについても言及しました。

 

◆ヴァージン・オービット社 最高戦略責任者 ジム・シンプソン氏
「イギリスでのプロジェクトは順調に進んでいる。ヴァージン・オービット初の海外打ち上げのケースとなる。いろいろな調整やそこからの教訓も含めてかなり細かく進めている。そこで得られた内容を大分のプロジェクトにフィードバックしながら大分のプロジェクトを効率的に進めていくことが大事だと思っている」

 

大分での打ち上げはいつ?

 

◆ヴァージン・オービット社 最高戦略責任者 ジム・シンプソン氏
「技術的な面では2022年後半には大分からの打ち上げは可能」

ただ、イギリスで得られた知見や打ち上げに向けたライセンス許可など、課題がいろいろ見えてきたとして「場合によっては2023年になるかもしれない」と打ち上げの時期についての明言は避けました。

 

 

ーー打ち上げ準備が始まる可能性はいつごろ?


◆ヴァージン・オービット社 最高戦略責任者 ジム・シンプソン氏
「(打ち上げの)計画はすでに着手しているけれども、これまで大分に来られていなかったので、大分空港のどこにどのような配置をするのかなどの検討はまだ準備できていない状態。どこに何を配置すれば一番効率的かなどは当然計画はしているが、現場を見る必要もある。できるだけ早くやりたいと考えているが、不用意に急ぐということはしたくない」

 

「完璧な打ち上げを大分から目指している」

 

大分は今後「いろんなビジネスを呼び寄せる場所に」

 

 

ーー宇宙港の活用で大分はどう変わる?


◆ヴァージン・オービット社 最高戦略責任者 ジム・シンプソン氏
「宇宙関係の設備ができることで、いろんなビジネスを呼び寄せる『インキュベータ―』的な施設になると考えている。科学やテクノロジー関連の企業が集まってきて、産業の集積を生む。技術面でも科学やテクノロジーから生まれてくることが多いので、大分もそのような場所に変っていくと思う」

 

大分空港の宇宙港としての活用に向けて、本格的な動き出しが期待されます。

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