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中学校の校則 調べてみると 気になるものが・・・
三つ編み、ポニーテール、パーマ。このうち、大分市の中学校で校則違反とされているものはどれでしょうか?
…答えは「全て」です。
「なぜ?」と感じた人もいるのではないでしょうか。そんな校則について、街の人たちに経験談を聞いてみると、「嫌な思いをした」という声も聞かれました。
――街の人
「下着は白』が嫌やった」
「(制服をめくって下着を教師に見せる)服装頭髪検査が恥ずかしかった。中学生だし」
「もともと地毛は茶色だが、高校から『黒染めしてこい』と言われるのは違うのかなと」
大分市教育委員会によりますと、「校則は教育活動を守るために、社会通念上合理的と認められる範囲で、校長の裁量により各学校が定めているもの」だということですが、「法律の規定は特にない」ということです。
ただ、理不尽だったり、不合理だったりする校則は『ブラック校則』とも呼ばれていて、全国で見直しを求める動きが広がっています。
そこで、サタデーパレットでは大分市立のすべての中学校と小中一貫校、義務教育学校あわせて27校分の校則を取り寄せ、その一つひとつに目を通してみました。すると、中には気になるものもありました。
(2021年5月時点)
気になる校則 街の人の意見は
こうした校則について、街の人はどう思うのでしょうか。
――反対:『制汗剤や汗ふきシートは許可しない』
「周りへの匂いが気になる」
――反対:『下着は白 絵柄ははがきの大きさまで』
「なぜ指定されるのかがわからない。下着は見えないのに」
――反対:『キーホルダーは2個まで』
「キーホルダーは沢山つけたい。別に何個でも付けていいのではないか」
――反対:『三つ編み、ポニーテール禁止』
「三つ編みはいいのではないか。私も昔、三つ編みにしていた。ポニーテールもかわいい」
――反対:全て
「全般的によく根拠がわからない。なくても学生生活に支障が出るようには思えない」
一方で特に問題ないと言う声も。
――容認:全て
「これでいいんじゃないか」
――容認:『眉毛そり禁止(部活生は出場停止に)』
「眉毛を細めたりしたら、社会に出た時、面接とかではあまり印象は良くないと思う」
――容認:『ツーブロック禁止』
「高校生とか中学生ではツーブロックは見た感じがちょっと良くない」
中学校側の見解は
こうした校則はどうして設けられているのか、各中学校の理由は次の通りです。(2021年5月時点)
〇靴・靴下は白のみ:
「清潔感がある。汚れがわかりやすいことですぐに洗うなどでき清潔さが保たれる」
〇下着は白 絵柄ははがきの大きさまで:
「制服の下に着るものは透けないように白としている」
「真っ白だとなかなか売っていないため、はがきの大きさの絵柄までなら許容できる」
〇マフラー禁止:
「引っかかって首を絞めてしまう危険性がある」
「代わりにネックウォーマーを認めている」
〇眉毛そり禁止(部活生は出場停止に):
「細くしたりするのは中学生にふさわしくない」
「部活生の出場停止は県中学校体育連盟の規定で決まっている」
〇三つ編み禁止:
「するのに時間がかかる」
〇ポニーテール禁止:
「引っ張られて危険」
〇制汗剤や汗ふきシートは許可しない:
「使うと教室ににおいが残る。そのにおいが嫌な生徒もいる」
〇カイロは表に出ている場合、不要物扱い:
「カイロの持ち込みは認めているが、カイロは体を温めるものであるため、服の中に入れて使えばいい」
〇キーホルダーは2個まで:
「生徒の使うカバンは外見が似たものが多いため、カバンに付けるキーホルダーなどのアクセサリーは所有者の特定が目的。おしゃれが目的ではない。ただし、1個だけだと他の生徒とかぶってしまうことがあるため、2個までとしている」
〇他クラスへの立ち入り禁止:
「学校では教室内の物が無くなるなどのトラブルがどうしても起きてしまう。不特定多数が出入りできる状態にしないことで、トラブルを防ぎたい。また、他クラスの生徒が疑われてしまうなど疑心暗鬼となるのも防ぎたいから」
事件は事故に巻き込まれる? 校則で禁止される髪型 ”ツーブロック”
また、ツーブロックという髪型を禁止している中学校では「おしゃれに気が向いてしまうと、勉強がおろそかになる」などの理由を挙げていました。このツーブロックを巡っては2020年3月、東京都の議会ではこんな議論がありました。
――都議会議員
「ツーブロック禁止という校則は一定数あります。なぜツーブロックはだめなのか」
――東京都の教育長
「外見などが原因で事件や事故に遭うケースなどがあるため、生徒を守る趣旨から定めている」
――都議会議員
「今の話だとツーブロックにすると、事件や事故に遭う可能性があると。意味不明」
”ツーブロック” 美容師の見解は
事件や事故に遭う可能性がある?ツーブロックとはどんな髪型なのでしょうか。大分市の美容室に話を聞きました。
――リバイブヘアーリュッカプラス ・阿南進代表
「(髪を)めくった時に、下のところが短く、上に長い髪の毛がくるというのがツーブロック。ツーブロックがダメな理由というのがいまいちよくわからない」
こう話すのは大分市で美容室を営む阿南進さんです。ツーブロックにすると、清潔でさわやかな見た目になるということで、こちらでも男性客から人気なんだそうです。しかし、校則では禁止。ツーブロック以外にも多くの髪型が校則で規制されていることに阿南さんは疑問を感じています。
――リバイブヘアーリュッカプラス ・阿南進代表
「髪型は顔の輪郭をごまかすこともできるし、その人のコンプレックスを解消できたり、人生をより良くできる。かわいくなったり、かっこよくなったりして周りからの評価が変わる」
実は、阿南さん自身も竹田市の中学校に通っていたおよそ30年前、こんな経験をしていました。
――リバイブヘアーリュッカプラス ・阿南進代表
「中学生の時は基本坊主だけですね。みんな坊主です」
髪型の自由化求め ”丸刈り”校則を撤廃
当時はまだ、県内の多くの学校で、男子生徒は丸刈りにするという校則がありました。ただ、こうした校則に対し、県内の生徒や保護者などから髪型の自由化を求める声が上がり、丸刈り校則は次々に姿を消しました。当時、阿南さんも生徒会による署名活動を後押ししたそうです。
――リバイブヘアーリュッカプラス ・阿南進代表
「自分だけがおかしいと思うだけではなく、皆がおかしいと思うことはおかしいので、小さくても何でもいいので変えたかったら、行動を起こせるように皆でまとまって、頑張ってほしい」
では、おかしいと思う校則を変える場合、そのプロセスはどうなっているのでしょうか。大分市教委によりますと、例えば、生徒たちが生徒会などを通じて自分たちの意見をまとめ、学校側に伝えた場合、職員会議などを経て最終的には校長先生の権限で校則を変更できるということです。
大分市教委は「生徒たちが自分たちで校則について考え、見直しを進めることは、校則を自分たちのものとして守っていこうとする態度を養うとともに、主体性が培われるなど意義があること」と話しています。
2021年5月22日放送のサタデーパレットより