サッカーW杯の縁からビジネスに カメルーン産コーヒーを輸入 目指すはフェアトレード

2021年11月04日 19:00更新

 

ゆかりの地・大分にやってきたカメルーン産コーヒー豆

 

 

9月、佐伯市内の倉庫にカメルーンからの荷物を積んだトラックが到着した。

扉を開けると、大量の袋。よく見ると、袋には英語で「COFFEE」と書かれていた。

運ばれてきたのは、カメルーン産のコーヒー豆。

 

――カメルーンコーヒーを輸入した横山朋樹さん
「着きましたね。ちょっとほっとしています」

 

カメルーンと言えば、2002年のサッカーワールドカップ。

キャンプ地の中津江村(現・日田市)に5日遅れで到着した選手たちを村の人たちが暖かく迎える様子が話題になった。

 

 

 その縁で生まれたカメルーンとの交流をビジネスにもと考えたのが、大分市の企業・TMT.Japanの横山朋樹代表。

 

 

上下水道の整備が進んでいないカメルーンで横山さんの会社は水を使わずに排泄物を処理できるバイオトイレの製造販売などを行っている。

現地に足を運ぶたび、カメルーンのコーヒーのおいしさに惹かれるようになった横山さん。

しかし、日本ではほとんど流通していないことを知り、自らが輸入することを決意した。

 

 

――カメルーンコーヒーを輸入した TMT.Japan 横山朋樹代表

「本当に清水の舞台から飛び降りる勢いで(大分に)コンテナを持ってきたいなということで・・・」

 

クラウドファンディングで資金調達  販売決めた店舗も

 

 そこで活用したのがインターネット上で資金を募るクラウドファンディング。

カメルーンのコーヒーを返礼品としたところ人気となり、目標を上回る150万円近くを集めることができた。

新型コロナの影響で、到着は4か月ほど遅れたものの、9月には約15トンのコーヒー豆を無事に輸入できた。

 

 

この事業を応援しようと、カメルーンコーヒーの販売を決めた店舗も。

こちらは佐伯市のカフェ・「自家焙煎工房 モカ珈琲」。

この日は横山さんの会社のスタッフが持ち込んだコーヒー豆を焙煎し、その味を確かめていた。

 

――モカ珈琲の岩里世津美さん
「甘くておいしい。これだけおいしい豆だと広まっていくと思いますので、それを楽しみに。これが大分ブランドみたいになればいいなとひそかに思っています」

 

 

コーヒーの販路拡大し、目指すはフェアトレード

 

横山さんの会社は現地でカメルーンコーヒーを紹介する動画も撮影。販路拡大のためのPRに活用することにしている。

 

 

――TMT.Japan 横山朋樹代表

「カメルーンの人と鉢巻をしめて、一緒に汗水流して、カメルーンのコーヒーは大分からということで頑張っていきたい」

 

 

ただ、横山さんによると、カメルーン産のコーヒー豆は不当に安い価格で取り引きされ、生産者が安い賃金で働かされているケースもあるそうだ。

そこで横山さんは今後、生産者の組合から直接買い付けを行い、適正な価格でビジネスを行うフェアトレードを実現させていくことも目標にしている。

白井 信幸記者
取材リポート

2017年、私はTMT.Japanの横山代表の取り組みを取材するため、カメルーンに同行し、現地取材をしました(ちなみに、私の紹介画像はその時、カメルーンでリポートした際に撮影したものです)。

 

同行取材から4年が経ちますが、横山さんは大分とカメルーンとの経済的なつながりをさらに強めていこうとずっと奮闘しています。そうした中、横山さんはカメルーン産のコーヒー豆の輸入に踏み切りました。私もカメルーンでの取材の際に現地のコーヒーを飲みましたが、とてもおいしかったのを覚えています。

 

カメルーンコーヒーが飲めるのは、今回取材した佐伯市のモカ珈琲さんですが、まもなく大分市の店舗でも飲めるようになるという事です。【2021年11月4日】

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