「危険運転に数値基準」法相に答申 時速194キロ事故遺族「法律が緩くなる方向にいって欲しくない」

2026年02月12日 18:05更新

危険運転致死傷罪の見直しを議論してきた法制審議会は12日アルコールや速度について基準を設けることを盛り込んだ案を取りまとめ、法務大臣に答申しました。

 

 

時速194キロの事故で家族を亡くした遺族は「数値基準が設けられることによって、法律が緩くなる方向にいって欲しくない」とコメントしています。

 

 

12日午後、東京で開かれた法制審議会の総会。車の死亡事故は法定刑が20年以下の危険運転致死罪か法定刑が7年以下の過失運転致死罪で裁かれます。

 

 

法制審議会では危険運転致死傷罪について見直しの議論を続けていて、12日大臣への答申案がまとまりました。

 

 

 

 

 

◆平口洋 法務大臣

 

「危険悪質な運転による死傷事犯への対処は喫緊の課題であり適切な対応が求められている。いずれの諮問についても所要法整備を早急に行う必要がある」

 

 

議論のきっかけの1つが5年前に大分市で発生した時速194キロの車による死亡事故です。

 

 

県道交差点を右折していた小柳憲さんが死亡、直進車を運転していた当時19歳の男が危険運転致死の罪に問われています。

 

 

裁判の最大の争点は時速194キロで走っていた車の事故が危険運転にあたるかということ。

 

 

福岡高裁は1月22日危険運転致死罪の構成要件になっている「進行制御が困難な高速度」について「肯定するに足りる立証がなされていない」と指摘。危険運転を認めた一審判決を破棄し過失運転致死罪を適用、被告の男に懲役4年6か月を言い渡しました。

 

 

危険運転致死罪の立証のハードルの高さが浮き彫りになりました。

 

 

12日取りまとめられた法務大臣への答申案では「危険運転」と認める速度について最高速度が60キロを超える高速道路などでは、「60キロオーバー」で走行した場合。

 

 

一般道など最高速度が60キロ以下の道路では「50キロオーバー」で走行した場合とされました。

 

 

また、アルコールについては新たに数値基準を設け、「呼気1リットルにつき0.5ミリグラム以上」とするなどとしています。

 

 

この案について12日開かれた法制審議会の総会では賛成多数で議決され法務省の平口大臣に午後5時ごろ答申したということです。

 

 

時速194キロの車による事故で亡くなった小柳さんの姉、長文恵さんは、「どこまでは危険運転にならないという認識をされては困る、数値基準が設けられることによ って、法律が緩くなる方向にいって欲しくない」とコメントしています。

 

 

また、2003年に飲酒運転による事故で次男を亡くした国東市の佐藤悦子さんは、「高すぎる数値基準となり、強い失望を覚える。0.5と以下だったら飲酒運転 をしても大丈夫なんだと誤ったメッセージとして受け取られな いように。酒は一滴でも飲んで運転すれば犯罪」と話しています。

 

 

法務省では、答申に基づく関係法案の立案作業を行い、すみやかに国会に提出することができるよう、準備を進めるということです。

 

 

大分の事故などをきっかけに危険運転致死罪が大きく変わろうとしています。

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