全国で唯一国東市だけで栽培“七島イ” 大分市内に生育か…「よく生き延びていた」かつて大分市内でも栽培

2025年08月06日 18:50更新

全国で唯一、大分県国東市だけで栽培されている畳表の材料「七島イ」。

 

そんな七島イとみられる植物が大分市内のある場所で見つかったと聞き取材しました。

 

 

◆来迎寺 檀家総代長 宗公一郎さん

 

「これが七島イ。こういう三角形になっているこれが七島イの特徴。カヤツリグサという」

 

 

大分市錦町にある寺、来迎寺です。

 

 

境内の一角にあるこの植物。

 

茎の断面が三角形になっているのが特徴で主に畳表の材料として使われている七島イとみられています。

 

 

七島イは現在、日本で唯一、国東市の9軒の農家のみが生産しています。

 

一般的にイグサよりも耐久性に優れているとされ、高級旅館の畳としても使われています。

 

 

 

そんな七島イが自然に生育しているのが大分市内で見つかったというのです。

 

その場所が、大分川に架かる滝尾橋近くの河川敷。

 

ことし5月ごろ、この辺りで来迎寺の檀家の1人が見つけたそうです。

 

 

◆来迎寺 檀家総代長 宗公一郎さん

 

「江戸時代から寺としては檀家たちがこの七島イで寺を支えてくれたということがあるから、何とか大分市で生き延びていな いかなと私がことあるごとに言っていた」

 

 

 

 

 

来迎寺には、1660年ごろ七島イを鹿児島から大分に持ち帰ったとされる橋本五郎左衛門の墓や、県内で作った畳表の販路を開拓したとされる商人の墓があるんです。

 

また400以上ある檀家のうち50ほどで先祖が栽培や販売に携わっていたという七島イにゆかりのある寺なんです。

 

 

 

 

 

今回七島イとみられる植物が見つかった場所の近くの下郡地区や滝尾地区では、1966年に下郡工業団地が出来るころまで七島イの栽培が盛んに行われていたそうです。

 

農家にとっては貴重な収入源で、家族総出で作業をしていたといいます。

 

 

また、1954年の大分市の市報によりますと、七島イの品質向上を図ることを目的に、当時、滝尾地区には苗を育てる市営の施設があったことも分かりました。

 

こうしたことから今回見つかった七島イとみられる植物は河川敷に自然に生育していたとみられます。

 

 

 

 

 

◆来迎寺 檀家総代長 宗公一郎さん

 

「よく生き延びていたなという感慨深い気持ちだった。大分の経済を支えてくれた、大 分にとっては、非常に親孝行な(七島イの) 坊主、娘がまだ頑張っていたぞということでいい んじゃないか」

 

 

かつて大分市で栽培されていた七島イの子孫かもしれない今回の発見。

 

来迎寺では今後、希望する檀家には株分けを考えているということです。

 

 

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