長期滞在や移住につなげる長湯温泉の新たな取り組み 空き家を宿泊施設に「アルベルゴ・ディフーゾ」大分

2025年05月28日 11:20更新

「アルベルゴ・ディフーゾ」という言葉をご存知でしょうか。イタリア語で、「アルベルゴ」は「宿」「ディフーゾ」は「分散」という意味です。つまり、地域にちらばる空き家を活用し、一帯を宿泊施設のように使っていこうという考え方です。

 

 

大分県竹田市の長湯温泉ではこの考え方活用し、長期滞在や移住につなげていこうとする取り組みが始まっています。

 

 

 

竹田市直入町にある長湯温泉。全国でも珍しい炭酸泉で有名な温泉街です。

 

 

しゅわしゅわとした気泡が肌にまとわりつき、高い温浴効果が得られるとして人気の「ラムネ温泉」や開放感あふれる混浴露天風呂「ガニ湯」などで知られています。

 

 

しかし、こちらでも人口減少の影響が…。長湯温泉があるエリアには現在166世帯が住んでいますが、この10年で30世帯減ったということです。

 

 

それでも地域活性化に取り組もうと、新たな取り組みが行われています。

 

 

 

 

 

「長湯温泉アルベルゴ・ディフーゾ協会」の事務所。28日、開所式が行われました。

 

 

地域にちらばる空き家を活用し、一帯を宿泊施設のように使っていこうというイタリア発祥の考え方、「アルベルゴ・ディフーゾ」に取り組むこの協会。

 

 

温泉街に増え続ける空き家を譲り受け、長期滞在や移住への相談により柔軟に対応していこうと、今回この事務所を構えました。

 

 

◆長湯温泉アルベルゴ・ディフーゾ協会首藤勝次会長

 

「言うなら温泉地の再生。これを目指していきたい。そのきっかけづくり」

 

 

 

 

 

現在、協会では8軒の空き家を管理してます。開所式には、協会を通じて空き家への移住を決めた2人も出席していました。

 

 

そのうちのひとりが熊本県から来た米沢圭介さんです。6月から長湯温泉のこちらの空き家での生活を始める予定です。

 

 

20年ほど前に初めて長湯を訪れ、温泉や自然に魅了されたという米沢さん。定期的に訪れるようになり、移住を決断しました。

 

 

◆長湯温泉に移住する米沢圭介さん

 

「20年前から知っているがやはり昔と比べたら空き家がというのか、昔していた店もやはり閉まっていたりとか 空き家も、前は住んでいたような所もやはりいなくなったりとか、増えたと思う」

 

 

米沢さんはこの空き家で生活しながら長期滞在の客などを受け入れるゲストハウスを運営したいと考えています。

 

 

 

 

 

◆長湯温泉に移住する米沢圭介さん

 

「いろんな所から来る客が気軽に立ち寄れるような場所でありたいし、 こういう場所を通じて長湯に住んでいる人々と泊まりに来てくれた客との交流の場としても活用できれば」

 

 

空き家を生かして地域に活力を。長湯温泉での取り組みが全国のモデルケースとなるか、注目です。

 

 

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