学校の枠を超え、デジタルアートの力で町を変える 全校生徒40人の中学校に「令和の美術部」誕生 大分
大分の老舗が挑む「森のテーマパーク」構想
大分県内の熱意のあるアトツギ企業を紹介する特集。今回は別府駅近くで半世紀以上にわたりシイタケの生産・販売を手がける「やまよし」。その3代目として家業を継いだ河内由揮さんは、従来の枠にとらわれない新たな挑戦を始めている。その中心となるのが、シイタケの魅力を体験できる「森のテーマパーク」構想だ。
バンドマンが東京からUターン、家業を継ぐきっかけは父の一言
もともとは東京でバンドマンとしてインディーズレーベルからCDを出すなど活躍していた河内さん。
8年前、大分にUターンし、会社を継いだその決断の背景には、父の言葉があった。
「父が森の中を走っている時に『この風景を残したい』と言ったのが、一番強いきっかけでした」と河内さんは語る。生産者の減少を目の当たりにし、「僕らが守っていかなければいけない」という使命感も芽生えたという。
シイタケに触れる「森のテーマパーク」
河内さんが構想する「森のテーマパーク」は、単なるシイタケの販売にとどまらない。子供たちに生育過程や収穫体験を提供し、食育にもつながる施設を目指している。
「ここで収穫体験をしたり、触ってもらったりすれば、みんなシイタケに興味を持って食品のことが好きになるんじゃないかな」と期待を込める。
先代が見守る新たな挑戦
こうした新規の取り組みを進める河内さんを、先代の聖蔵さんはどのように見ているのだろうか。
「業界的には厳しい状況にあるんですけど、盛り上げていこうという気力があってね。一生懸命やってくれていると思います」と、息子の奮闘を温かく見守っている。
世界に広がれ、日本の椎茸
ビジョンは国内にとどまらない。「全世界に日本の椎茸を広めたい。シイタケブームを起こしたい」と、グローバルな展開も視野に入れている。
大分の食文化と自然を次世代へ
大分の山を通ると、シイタケの原木が立ち並ぶ風景を多くの場所で目にする。
河内さんはそうした光景、そして伝統や食文化を残していくため「森のテーマパーク」を通じてその価値を未来に伝えていく。