ほとんどの小中学校で2学期の終業式 25日から冬休みスタート 始業式は1月8日 大分
■「原」と書いて「ハル・バル」と読む大分県民
大分県内には、「原」の漢字が名つく地名がいくつか存在する。
大分市民を中心に多くの人が利用するの市営運動場があるのは「駄原(だのはる)」
七瀬ダムを一望できる地域の地名は「野津原(のつはる)」
大分県内の地名を調べてみると、漢字で「原」と書いて「ハル・バル」と読む地名が多い。
一体なぜなのか・・・?
■聞き込み調査してみた
まずは大分県民にとってハル読みが当たり前なのか街頭で数人に調査すると、
やはり、大分県出身のほぼ全員が地名の「原」を「ハル・バル」と読んだ。
しかし、たまたま通りがかった兵庫県、山形県の出身だというふたりに地名を読んでもらうと・・・
野津原(のつはる)は、「のづわら?」「のつはら?」
長者原(ちょうじゃばる)は、「ながもはら?」「ちょうじゃげん?」
駄原(だのはる)は、「だはら?」「たわら?」
と、本州ではハル読みをしないということがよくわかる結果となった。
■驚きの事実が判明
ということで、日本郵政の郵便番号データなどをもとに、
全国の「原」と名の付く地名を調べてみると・・・
漢字の「原」とつく地名は5174箇所。
その中で漢字の「原」を「ハル・バル」と読む地名は328箇所。
そして!なんと328か所すべてが九州の地名だったのだ。
■専門家は
一体なぜ、九州地方だけ地名の読み方が違うのか。
その謎に迫るべく尋ねたのが、大分県の歴史や地域文化やに詳しい大分学研究会の楢本譲司さん。
なぜ九州地方の地名は原をハルと読むのか。
その理由は、「大分県、または北部九州の方言のひとつ」だと楢本さんは言う。
◆大分学研究会 楢本譲司さん
「福岡県筑紫地方、大分県、佐賀県、鹿児島県などで主に「ハル読み」が使われています。また、大分県の方言は瀬戸内の言葉に近いので、他の大分県の方言とは違った成り立ちなのでは?」
瀬戸内系の言葉が多くの残る大分県の方言。
しかし、ハル読みは大分県だけでなく北部九州に多くその地名が残っていて、
そのことが謎をとく鍵であるという。
また、方言の分布から、渡来人がかつて使っていた言葉が読み方として残っているのではないかと推測する楢本さん。
◆楢本さん
「大分県の北部、旧豊前の国には8世紀ごろは渡来人が圧倒的に多かった。
その渡来人の言葉の一部、または朝鮮半島に由来する言葉なのではないかと考える」
■もうひとつの説
さらに、日本国内の地名に詳しい日本地名研究所にも同じ疑問を問い合わせたところ、
「漢字の「原」は土地を新しく切り開く「墾る(ハル)」という言葉が原型と言われていて、語源となるハル読みが九州地方に習慣として残ったのではないか」との回答だった。
ということで、九州地方の地名で「原」を「ハル」と読むのは、
以上の2つの説が考えられる・・・とのことであった。