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全国初 県内すべての119番通報を一元化
大分県では、新たな防災拠点として「おおいた消防指令センター」の本格的な運用が10月1日から始まりました。
これまで県内14か所に分かれていた119番通報の受信を全域一括で行います。
市町村をまたいでの迅速な救急救命活動やシステムの共有による効率的な運用が期待されています。
都道府県内全ての119番が一元化されたのは大分県が全国で初めてで、その運用が注目されています。
回線数は3倍の36回線、職員も2倍以上
県内全域を扱うおおいた消防指令センターは大分市消防局が中心となり運営していますが、地理など各地域の事情に精通する必要性から県内13の消防本部からも職員が派遣されています。
大分市のみの時と比べて扱う地域の人口はおよそ2.3倍ですが回線数は3倍の36回線、職員も2倍以上でつながりにくさが改善されるなど迅速な対応が可能になります。
◆おおいた消防指令センター古澤雄一センター長
「県内が一元化されることで、県内の災害がすべてこちらの方で把握できることから情報共有が非常に早くなった」
また新たなシステムも導入され映像での通報が可能になりました。
その機能について、センターの協力のもと記者が体験しました。
デモンストレーションは意識不明の人が路上で倒れているという想定です。
始めに、指令センターの職員と傷病者の意識や状態について電話で会話します。
◆指令センターの職員
「今の状況を確認したいので映像を送ることは可能ですか?今からあなたの携帯にショートメールを送るので届いたら教えてください」
届いたショートメッセージに記載されたURLをタップすると指令センターと映像での通話が始まり、職員が映像を通して現状を把握できるようになります。
◆指令センターの職員
「今から心臓マッサージをしてもらいたいがやり方わかりますか?」
◆記者
「わかりません」
◆指令センターの職員
「では今から心臓マッサージの映像を送るので、それを見ながら心臓マッサージやってもらっても良いですか」
送られた映像には音声や文字での説明があり初心者でも応急処置にあたることができます。これによって救急隊が到着するまでの時間、症状の悪化を防ぐ効果が期待されます。
◆おおいた消防指令センター古澤雄一センター
「今までは見ることができなかった心臓マッサージの状況をこちらから見ることができるので『もっと肘を伸ばしてください』とかこちらの方が送った映像を見てもらって『このようにやってください』と言えるので非常に役に立っている」
センターから送信可能な動画は全部で11種類あり、心肺蘇生の他にも体内に異物が入った時の対処法や止血法などがあり、乳児や成人などにも応じた動画が用意されています。
このほか経費削減という面では、指令センターのシステムの整備費用はおよそ65億円で、仮に県内各消防本部で個別に整備した場合は159億円ほど掛かり、大幅な削減につながっていると試算されます。
最新のシステムの運用費用は各市町村から徴収
また、119番通報の一括受信により市町村をまたいでの応援出動が容易になり、より迅速かつ効率的な運用につながるそうです。
ただ一方で、懸念されるのがランニングコストです。
導入した最新のシステムの運用費用は各市町村から徴収することになっていますが、毎年億単位の費用がかかるため指令センターは国や県からの補助にも期待したい考えです。
また、いざという場面に遭遇した際に難しい「通報するかどうか」の判断。
大分市では「#7119」をダイヤルすると24時間いつでも看護師などからアドバイスを受けることができるサービスを10月から開始しています。