おしゃれなコーヒースタンドに込められた思い 障害者の就労支援の場に 大分

2024年10月05日 10:00更新

2024年8月、大分県大分市長浜町におしゃれなコーヒースタンドがオープンしました。

 

 

おいしいコーヒーが飲めるということで評判のお店が誕生した背景には、経営する男性の特別な思いがありました。

 

大分市長浜町にオープンしたコーヒースタンド「或る焙煎所」。

 

 

こちらではスタッフが厳選したインドネシアやエチオピアなど、4ヵ国のコーヒー豆を最先端の焙煎機を使って香りや味を最大限生かせるように豆ごとに適した焙煎を行っています。

 

 

 

 

 

◆「或る焙煎所」を経営する ARU 薄田夕侑社長

 

「地域の人たちが立ち寄りやすいような空間をイメージしてオシャレな場所を作っている」

 

 

メニューはコーヒーやカフェラテなどのほか豆の購入も可能です。

 

オープンして2か月。お客さんからの評判も良いようです。

 

 

◆客

 

「店内もおしゃれで若い人が来たら映えそうだと思った」

 

「深煎りとか浅煎りとかいろいろあると思うがそのあたりも計算して提供してくれているというところがこっちとしてもうれしい」

 

 

 

そしてこちらの店が力を入れるのはコーヒーのおいしさだけではありません。

 

 

それが「就労支援」です。

 

 

実は店を経営している薄田さんは生まれつき言語障害があり、自分と同じように障害がある人でも社会で働けるきっかけを作ろうとこの店を始めたといいます。

 

 

◆ARU 薄田夕侑社長

 

「僕が就労支援の利用者として働くとしたらどういう場所で働きたいかということを考えた時に、やっぱりオシャレでカッコよくてみんなが働きたいと思うような場所で働きたいというところでこのような場所を作った」

 

 

店では現在、知的障害や精神障害のある人が働いていて豆の選定や袋詰めなどを行っています。

 

 

◆ARU 薄田夕侑社長

 

「無理のないペースでやってくれるのは非常にありがたく感じるし、それを支えている優秀なスタッフにも感謝している」

 

 

いまは軽作業のみですが、それぞれのやる気や実力に応じて様々な仕事を任せていきたいということです。

 

 

◆ARU 薄田夕侑社長

 

「或る焙煎所に来ておいしいコーヒーを飲んでまた来たいなと思ってもらいたいし、帰る時にほんの少しでも就労支援ってこんなことができているんだと思ってもらえたらと思う」

 

 

この町に存在するという意味も込められたコーヒースタンド「或る焙煎所」。

 

 

これからも障害のある人たちと手を取り合いながら地域で愛される店を目指していきます。

 

 

 

障害のある人の働き方には大きく分けて2つあり企業や役所で働く「一般就労」とそれを目指す「就労支援」があります。

 

 

県内で「就労支援」に取り組んでいる事業所はおよそ350事業所あり定員数は6900人ほどです。

 

 

今回取材したコーヒースタンドが行っているのもこの1つです。

 

 

事業所ではビルのメンテナンスなど個人の能力や知識に応じて仕事内容が分けられていて、技術を向上させより多くの障害者が一般就労できることを目指しています。

 

 

しかし、障害の程度は一人一人異なるため働きたくても事業所の仕事内容などが合わない人もいます。

 

 

誰もが生きやすい社会を目指して、県内でも障害のある人たちが働きやすい制度や環境をより整えていくことが求められています。

 

 

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