教職員の約4割が「残業45時間超」授業の準備や部活動の指導など要因「教員のなり手不足」深刻 大分

2024年05月16日 13:20更新

教職員の労働環境についての話題です。

大分県内の小中学校の教職員などでつくる労働組合の調査で、およそ40パーセントの教職員が、月に45時間を超える残業をしていることが分かりました。

県教職員組合は2023年、県内の公立の小中学校や幼稚園などの教職員を対象に勤務実態を調査しました。
その結果、1か月の残業時間が、上限とされている45時間を超えている教職員がおよそ40パーセントいたということです。
これは、前回の2021年に実施した調査と比べて14.5ポイント増えています。

残業の理由は、授業の準備や部活動の指導などの割合が高くなっていて、県教組では、コロナ禍が明け、学校行事などが復活していることも影響していると分析しています。

また、およそ35パーセントの教職員が「休憩時間を全く取れていない」と回答したということです。調査結果について県教組は、「現場で出来る対策には限界がある。 若い世代は、勤務の実態を見ているので、教員のなり手不足解消のためにも改善策が必要だ」と話しています。

全国的にも課題となっている「教員のなり手不足」、県内の状況を見ていきます。

県内の教員採用試験の倍率です。
2011年に実施した試験では8.4倍でしたが、2023年には3.1倍まで下がっています。

また県内の教員採用試験の受験者数は、2011年のおよそ1800人から、2023年実施した試験ではおよそ1200人まで落ち込んでいて、県内で教員を志望する若者が大幅に減っていることが分かります。

県教育委員会は、例年7月だった採用試験を2024年は民間企業の採用スケジュールに合わせて1か月早めて行うなど、人材確保に取り組んでいますが応募者の増加にはつながっていません。

このため、2023年に大阪でも実施した大学生向けの説明会を、2024年は関東でも実施する方針で、なり手不足解消に向けた模索が続いています。

 

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