能登半島地震の被災地をTOS田辺キャスターが現地取材 被災地の現状と復興への歩み
能登半島地震の被災地リポートです。
今回は、現在も市内のほぼ全域で断水が続いている石川県珠洲市の現状をお伝えします。
――TOS田辺智彦キャスター
「珠洲市の正院本町です。あぁ…ここはもう家が形が無くなってしまっています」
この日、田辺キャスターが訪れたのは石川県最北端の珠洲市です。
県庁所在地の金沢市からは車で約4時間ほどの場所に位置しています。
元日に発生した能登半島地震では震度6強を観測し、住宅約8600棟が全壊や半壊となりました。
――TOS田辺智彦キャスター
「珠洲市の宝立町です。こちらには津波が襲ってきました。私の奥に見えるあちらの建物は倒壊して横倒しになってしまっています」
海に面するエリアが多い珠洲市は津波による被害が大きく、沿岸部を取材すると、土台だけとなった建物も多くありました。
珠洲市では住宅の倒壊や津波などで石川県内で最も多い103人が亡くなっています。
輪島市と同じく、地震で倒壊した住宅などはほぼ手つかずの状態でした。
そんな街で取材を進めているとある男性と出会いました。
瓶子(へいし)明人さん41歳。
珠洲市で100年以上続く理髪店の4代目です。
店の入り口には井戸水の入ったタンクが並んでいました。
珠洲市では浄水場や水道管が被災し、現在も市内の約9割にあたる4430世帯で断水が続いています。
――瓶子明人さん
「井戸水をここに入れて投げ込み式ヒーターで温めて、こういう形でシャンプーもできるようになってます」
こうした工夫で瓶子さんは地震発生の約2週間後から営業を再開ました。
しかし、水を自由に使えない生活は2か月以上に渡っていて、苦労が多いと言います。
――瓶子明人さん
「どうしてもトイレとか流せないので子どもたちは不便に思ってるかなと。もう3月半ばになるが、何が変わったかなというくらいスローペースに感じる。(水が)早く出てほしいですね」
市によりますと、水道は徐々に復旧していますが、市内全域の断水が解消する目途は立っていないということです。
――瓶子明人さん
「どうしようもないですね。ゆっくり少しずつ進むしかないので」
多くの人の生活を一変させた能登半島地震。
被災地に元の日常が戻るにはまだ時間がかかりそうです。