「竹の可能性」を伝えたい 竹の魅力の伝道者2人 ワークショップも開催 【大分】

2024年03月22日 16:00更新

身近にあるために、その良さ、その価値に気づきにくいことがあります。
今回は「竹の可能性」を多くの人に伝えたいという、お二人の面白い取り組みをご紹介します。

凛とした美しさをたたえ、歩けば清々しさを感じる竹林。
その一方で、放置された竹林は山を荒らします。

別府にアトリエを構える竹工芸家のこじまちからさん。
アクセサリーなどの小さな竹細工から、空間演出のオブジェといった大きな作品まで作っています。
「多くの人に竹に触れてほしい」と竹の可能性を発信する活動を積極的に行っています。

――竹工芸家 こじまちからさん
「この音ですよね。音、空気、無駄なものがないですよね。日差しがいい感じに遮られて夏も涼しいですし、やはりこの音とか…すごい静かな感じがですね」


 

こじまさんと歩いたのは、日出町のハーモニーランドがある竹林。
かつては「一村一品クラフト公園」という名前でしたが、できて30年近く、あまり活用されてきませんでした。

ただ、今少しずつ、ここの竹を利用して、植物由来の次世代素材セルロースナノファイバーを作ったり、京都・嵐山のような場所にしていこうと整備が進められています。

――こじまちからさん
「そうですよね、これはちょっとあんまり知られてないですね。日出町のここが一番多分大きいと思うんですね。パブリックで人が入って来られるものっていうのは。やっぱこの空気感ってやっぱ来ないと感じられないので、ぜひ来てほしいですよね」

竹林の面積は、大分県が全国で2番目。
(1位 鹿児島1万7927ha 2位 大分1万4042ha 3位 福岡1万3619ha)

――こじまちからさん
「やっぱり、魅力、すごいあると思っていて、やっぱり日本人がずっと古くから竹と一緒に歩んできた中で、もう少し僕らのルーツって、何か大事にできないかなと思ってるんですよね。材料としてすごくやっぱ魅力が、他の素材と比べて表現力があるなと思ってるし」


 

もうひとりの竹の魅力の伝道者がこの方。
小田原啓太さん。子供たちや地域の人などに、郷土愛を育むいろんな体験を提供する活動を行っていて、先日は竹でできたラケットを使った卓球大会をなんと別府駅でやっちゃいました。

今、小田原さんは放置竹林が気になっています。

――アソビLAB 小田原啓太さん
「この山あいに竹林がどんどん増えていってるという現状がありましたので、この竹を使って何かできることがあるんじゃないかなと。なおかつ、この放置竹林というものと、使われないものから、何か作ることができたらいいなというふうに思いましたので」


 

今、このお二人が取り組んでいるワークショップ。
タイトルは「春風の竹林散策」と「竹の紙すき」。
竹で紙をすくことができるんです。具体的には…

1.竹を細かく裁断
2.細かく綿状にする
3.ペットボトルに竹綿・水・洗濯のり(少量)
4.ひたすら振る
5.広げて、水気を切って、乾燥

完成品はコースターなどの小物にピッタリ!


 

暮らしの中で竹とどう向き合っていくか…お二人は情報発信を続けます。

――こじまちからさん
「竹で紙を作るっていうのは本当に珍しいと思います。そういう竹全体の可能性を感じてもらいたいのと、この竹林を歩くことで竹のその存在とか、見え方が変わってほしいなっていうのはありますね」

お2人が竹林を案内してくれて紙すきを行うワークショップは、まもなく始まる日出町の暮らしや文化と触れ合うプログラム 「ひじはく」で体験できます。

日程:「春風の竹林散策」と「竹の紙すき」
3月30日(土)、4月2日(火)、8日(月)、14日(日)

 

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