組体操も騎馬戦もない? 昔と令和の「運動会」消えた名物種目と新たな取り組み 大分
「ネコの島」として知られる佐伯市の離島で3連休の間、ネコの健康調査が行われました。人とネコとの共生を目指して行われたこの取り組みを取材しました。
大分県佐伯市の蒲江港から船でおよそ30分、周囲4キロほどの小さな島、深島です。島の人口12人、そして島内には住民の数を上回るおよそ70匹のネコが暮らしています。
そんな「ネコの島」でこの3連休中に行われたのが、ネコの健康調査です。
ーー宮崎大学産業動物防疫リサーチセンター三沢尚明特別教授
「深島の地域猫の健康がどの程度のものなのかということを調査して今後の対策を立てることが今回の目的」
健康調査は宮崎大学農学部獣医学科の教授や学生、深島の島民などが行いました。
ネコを捕まえて、鎮静剤を注射した上で、触診や採血などをします。
この調査ができるのも、深島の住人がネコ1匹1匹に名前をつけ、日ごろからエサやりなどを通して愛情深く接しているからです。ネコを見るだけで顔や体の特徴で判別できます。
こうしたネコとのかかわり方になったのは5年ほど前。それまでは今のおよそ3倍の200匹ほどのネコがいて、すべてのネコを把握したりなどはしていなかったといいます。
しかし、2019年の冬、感染症のまん延で多くが死んでしまい、島民たちは対策を行う必要性を実感したそうです。
ーー深島の住人 安部あづみさん
「たくさんネコが死んでしまったときに把握ができてないというのと名前がついてない、わからないネコがいるぞっていうので、全部名前付けて把握してという感じで始まった」
島の住人に対し、はるかに多いネコの数。「ネコに幸せに生きてもらうために」、島のすべてのネコに避妊・去勢手術を行いました。また、定期的な予防接種を進めて健康管理を行ってきました。
全国で「地域ネコ」との関わり方が問題となる中、深島では人と地域のネコたちが共生できるモデルケースとなることを目指しています。
今回の健康調査も取り組みの一つです。
ーー宮崎大学産業動物防疫リサーチセンター三沢尚明特別教授
「去勢避妊をして元の場所に返すだけでは、感染症や他の病気がどういうものがあるか、数がどう減っていってるのか増えているのかの情報がやはり欠落するするとなかなか地域ネコを維持していくのは難しい」
ーー深島 安部あづみさん
「殺処分が0になったり幸せな猫が増え続けるのが理想だが、人と猫が優劣なくお互い様で生きていけるといいなと思う」
人もネコも幸せに暮らす…そんな理想の実現に向けた取り組みが小さな島で進められています。