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国東市の奇祭「ケベス祭」が14日、4年ぶりに通常開催されました。
火の粉を浴びながら無病息災を願うお祭りに観客の絶叫が戻ってきました。
炎に向かって飛び込んでいく仮面をつけた「ケベス」。
それを阻止しようとする白装束の「トウバ」と激しい攻防を繰り広げます。
国東市国見町の櫛来社で毎年10月14日に行われるケベス祭です。
新型コロナの影響で14日、4年ぶりに通常開催されました。
国の選択無形民俗文化財指定の伝統的な祭りですが、由来やケベスの正体はわかっておらず奇祭として知られています。
ケベスは攻防が終わると火のついたシダの木を観客に向かって振り回し、トウバも一緒になって火の粉を浴びせていきます。
火の粉を浴びると1年間、無病息災で過ごせると言われていて観客は悲鳴や歓声を上げながら祭りを楽しんでいました。
ーー観客
「熱かった。穴があいちゃった」
「こんなに火が近くに来ると思わなかった。すごい迫力」
ことし、祭りの主役・ケベスを初めて任されたのは大沢広記さん44歳です。
5年前に地元の国見町にUターンし宿泊施設を営んでいて、ケベスは子どもの頃から憧れていたといいます。
高齢化が進む地域では祭りも担い手不足が課題となりケベス役を務めたり教えたりする人が少なくなる中、伝統を守る大切さを感じながら練習を重ねてきました。
Q.気持ちは?
――大沢広記さん
「もうやる気だけ。ちょっと覚悟しておかないとなかなか体力的にはきつい部分もある。今までで一番良かったと言われるお祭りにしたい」
そして迎えたケベス祭、当日。
コロナ禍では非公開だったため4年ぶりに一般の見物客が集まる中、大沢さんは燃え上がる炎にひるむことなく大役を見事に務め上げました。
Q.どうだった?
ーー大沢広記さん
「よかった。精一杯できた」
Q.盛り上がりましたか?
ーー大沢広記さん
「盛り上がっていればいいかと」
飛び散る火の粉を浴びて闇夜に響く歓声と悲鳴。
謎の火祭りの伝統の灯はこれからも守り続けられます。