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大分県佐伯市鶴見丹賀浦にある「丹賀砲台」。
かつて豊後水道一帯の守りの重要地点だったここには巡洋艦「伊吹」から移設された大砲が海に向けられていました。
まだ戦争の記憶が生々しく残っているこの「丹賀砲台」が今、インスタグラムを楽しんでいる人や芸術家から熱い視線を浴びています。
敵艦に向けられていた大砲
この写真は県南・佐伯で撮影されたもの。
このような写真を見ると、戦争が私たちのすぐそばにあったことを実感させられます。
佐伯市鶴見丹賀浦。
かつて豊後水道一帯の守りの重要地点だったここには巡洋艦「伊吹」から移設された大砲が海に向けられていました。
ーーTOS小笠原キャスター
「今、私はここから海を“眺めて”いますけれども、82年前のここでは海を“見張って”いました。そして“狙って”いたんです」
分厚いコンクリートで支えられた大砲は1942年(昭和17年)訓練中に暴発事故を起こし16人が亡くなりました。
その時の跡も、あちらこちらに見ることができます。
この暴発事故のため、実際にここから敵に向かって撃つことはありませんでした。
「絵になる」撮影スポット
ドーム型の屋根、螺旋階段は1991年、公園整備と同時に保護のために設置された。
この「丹賀砲台」が今、インスタグラムを楽しんでいる人や芸術家から熱い視線を浴びています。
インスタグラムで作品作りを楽しんでいる「みこ」さんも、この丹賀砲台で撮影を行いました。
――みこさん
「背景が美しさもありますし、やっぱりそうですね、恐怖だったっていうことも、いろんな感情がある中で、やはり絵になる場所だと私は思います」
“この歴史があったから今がある”“そう感じられる場所だから撮れる1枚がある”…と、みこさんは言います。
――みこさん
「ただただかっこいいから撮りたいとか、素敵だから撮りたいっていうのと、やっぱりここで何があったかっていうのを思って撮るのはまた違うんと思うんですよね」
砲台跡をミュージアムに
佐伯市もここを鶴見の新たなスポットとしてアピールしていこうとしています。
秋には、ここで「夜の戦争遺構とアートカルチャー」を融合させたイベントを企画しています。
この日は、そのイベントのための写真撮影が行われていました。
アーティストで、地域や企業のブランディングも手掛ける櫻井暢子さん。
このイベントの仕掛け人です。
ーー櫻井暢子さん
「そのまんま残したっていうところに私はすごい魅力を感じています。なかなかこういう、もちろんちょっと痛ましい事故があった場所ではあるんですけど、なかなかこういった雰囲気を持った場所もないですし、私は素晴らしいなっていうのは思ってます」
砲弾のあった部屋。爆発のあと。
その「ありのまま」が残る場所で発信される「2023年のアート」。
ーー櫻井暢子さん
「自分に起きたそのときに感じたこととか、その自分に起こったことを自分にあるものっていうのを、何かそれがポジティブであってもネガティブであっても、自分に起きたことということを何か心いっぱい感じて帰ってもらえたらすごくいいなと思いました」
保存が難しくなっている戦争遺構。
人が集う場所になりつつあることは、維持していくために追い風になりそうです。
地域の方たちも歓迎しているようです。
――佐伯市鶴見振興局 休坂さん
「今コスプレイヤーの方たちとか、インスタグラマーさんたちが入ってきてくれるのを逆に喜んでくれてるところがあるので、僕自身も、うん。楽しみです。」
NightMuseumTANGA
11月16日(木)~20日(月)撮影イベント
11月23日(木)~27日(月)光の演出・展示・カフェなど