【遺族会見・詳報】時速194キロ死亡事故「シートベルトがちぎれ、腰から粉砕」「過失なわけない」大分
県内に甚大な被害をもたらした7月10日の大雨からきょうで1か月です。
中津市山国町で自宅が土石流に巻き込まれて全壊し、いまなお避難生活を余儀なくされている夫婦を取材しました。
ーー高内千恵子さん
「土砂が木と、大きな土砂がドンと(自宅に)入ってくる。唖然となるというか、すごいこんなになるんだって、自然の脅威」
生々しい土砂災害の様子を語るのは、中津市山国町で夫と高齢の母親と暮らす高内千恵子さんです。
県内を記録的な大雨が襲った7月10日、中津市では大雨特別警報が発表され山国川が氾濫しました。
この大雨で市内の住宅101棟が被災。
山国町槻木の高内さんの自宅は土石流に巻き込まれて全壊。
2人は間一髪で逃げ出しました。
被災して4日後に市営住宅に入居しましたが、生活用品が何もなく視察に訪れた佐藤知事に窮状を訴え必要な物を手配してもらえたそうです。
ーー高内千恵子さん(当時)
「被害に遭ってぜいたくさせろと言っているつもりではない。最低限の冷蔵庫と洗濯機とそれぐらいはなかったら…。生活していくのにこれから先クーラーも欲しいなと思う」
市によりますと、市営住宅に避難する場合、洗濯機などの家電製品は原則、避難者自身で調達することとなっています。
今回は被害の状況から市が全て補償したということです。
高内さんの自宅は1か月が経ったいまも復旧できず流木が残ったまま。
夫婦は片付けのため自宅と市営住宅との間を毎日、何度も往復してきたそうです。
ーー高内さん夫婦
「ボランティアの人が来たら二次災害になるということで、何も手伝いというのはなく自分たちだけで運べる分だけを運んでいた。だからあっという間に(時間が)経ってしまったという感じ」
今後、自宅を再建したいと思っていますが、行政の工事などの対応や経済的な問題など課題が山積みで市に相談しているところです。
被災して感じたのは自然の恐ろしさ、そして早めの避難の大切さだといいます。
ーー高内千恵子さん
「ずっと避難と言われていたけど避難がやはりちょっと遅かったかなとも思う。 助かったけど、逃げなかったら私、完全に土砂の中でしたから。常に危険だから早めに避難しなきゃというのは大事」
豪雨から1か月。
再建に向けて前を向きながらも、元の生活を取り戻すにはまだ時間がかかりそうです。