川に流された作業員の捜索続く 死亡の1人は現場監督「警報発表前に撤収始めるも一気に水が…」 

2023年07月26日 18:40更新

25日、大分県由布市湯布院町で増水した川に男性作業員2人が流され、そのうちの1人、60代の現場監督の死亡が確認されました。
もう1人の捜索が26日朝から行われていますが、これまでのところ発見には至っていません。

県や警察などによりますと、25日に局地的に激しくなった雨の影響で増水した由布市湯布院町湯平の花合野川で、40代と60代の男性作業員2人が流されました。

現場では砂防ダムの工事が行われていて、請け負っていた建設会社によりますと1人が川に流されたため救助しようとしたもう1人も流されてしまったということです。
現場の下流にあたる由布市庄内町の大分川で1人が発見され、その後、死亡が確認されました。

◆第一発見者
「見つける30分ほど前、川の端っこの方に衣類が流れているのが見えた。とにかくできれば救助したいという気持ちでずっと見ていた」



県などによりますと、DNA鑑定の結果から遺体は60代の現場監督だと確認されました。
死因は多発外傷だということです。

◆近くの工事現場で働く人
「川の水も一気に増えて最近見た中では一番川が増水していた。(60代の男性は)仕事熱心で率先して現場に立って指揮を執っているかなり優秀な人だった」

◆TOS児玉直輝記者
「作業員2人が川に流された工事現場に来ています。きのうの大雨の影響で川の水が一気に増水したということです」

26日の捜索活動は、県の防災ヘリや県警のボートも活用して約200人態勢で行われています。
25日よりも範囲を広げ、日没まで行うということです。


 

予測難しい突発的な豪雨

 

急激に雨が強まった、25日の県内。
2人が流された当時の状況を振り返ります。

由布市に大雨洪水警報が発表されたのは、25日午後3時12分でした。
その11分後の午後3時23分、警察に通報が入ります。
また通報から約10分後には、現場となった湯平地区に避難指示が出ています。

工事関係者によりますと、会社のルールでは警報が出た場合には工事を中断することが決まっているといいます。
さらに今回は、雨の状況を見て警報が出る前に撤収作業を始めていましたが、一気に水が流れてきて2人が流されたということです。

関係者は「一人が亡くなったことは非常に残念。もう一人についても一刻も早く見つかってほしい」と話しています。


 

◆大分県砂防課長 森崎貴嗣課長
「昨今の突発的な豪雨というのは予測が難しいところもあるので、どのような基準を当てはめるのがいいかは、まだ今の段階でははっきり言えないが、例えば何ミリ以上降れば現場の作業を中断するなど、そういったことはまた必要に応じて定めていく必要がある」

大分県では今回の事態を受けて、改めて関係者に対する注意喚起を行ったほか、再発防止策についても検討を進める方針です。

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