「日田祇園」4年ぶりの“集団顔見世”に密着 300年の伝統つなぐ地域の力と時代に合わせた変化【大分】

2023年07月21日 13:30更新

日田の夏を彩る「日田祇園」が今週末の22日(土)、23日(日)に行われます。
そして16日(日)には「日田祇園」を盛り上げる、とても華やかな行事「集団顔見世」が行われました。

4年ぶりの「集団顔見世」

 

夕暮れの日田駅に山鉾が集まりました。「集団顔見世」が開催されるのは4年ぶり。
この「集団顔見世」に今年、変化がありました。
これまでは本番直前の木曜日の夜に行われていたのものを、1週間前の日曜日に変更したんです。

ーー日田商工会議所 十時康裕会頭
「木曜日だとやはり見る方が少ないんで、平日なんでですね、せっかく9基の山が揃うんで、もったいないなと思ってですね」

今年は観光客も合わせてたくさんの人が詰めかけました。

疫病や風水害を払い、安寧を祈るお祭り「日田祇園」。300年以上の歴史があります。2016年にはユネスコの「無形文化遺産」に認定されました。



 

人手不足解消へ 山鉾の曳き手募る

 

そして、日田祇園のもう一つの変化。
本番のお祭りや集団顔見世の山鉾の曳き手を広く募ることを去年から始めました。

ーー十時会頭
「今まで祇園祭はですね、各町内のお祭りだったんですね。どこの町でもそうですけど、もう今はやはり人口が減っていくのと高齢化してくるということで、お祭りに参加する人がですね、やっぱり減ってきてるんですよね」

ーー若宮町祇園山鉾振興会 後藤英明会長
「年々減ってきてですね、年寄り、私たちの「取締」も少なくなって山に乗る方も少なくなっているんですよ。いろいろ苦労しております、人集めにですね」

今回、TOSの小笠原キャスターも申し込みをし「若宮町」の山鉾を曳かせていただくことになりました。

この日の集団顔見世、そして22日(土)・23日(日)の本祭に、のべ130人が参加することになっています。


 

受け継がれる技術、地域の力

 

「集団顔見世」の日の午前中は「流れ曳き」と言って、いわば試運転を行います。山鉾のバランスなどをチェックします。

約3トンの山鉾は一歩間違えれば大事故につながります。
声のかけ方、力のかけ方、先輩から後輩へ受け継がれる技術。

ーー若宮町祇園山鉾振興会 棒鼻筆頭 松村友和さん
「やっぱりどうしてもですね、ヤマを運行していることによって、事故とかが正直あります。そういうのを、やっぱりしっかり自分の中に取り入れて、それを下の若い子たちに伝えていくっていうのが、やっぱ自分の役目かなと思っております」


 

小笠原キャスターもコントロール役を体験させていただきました。

ーー若宮町祇園山鉾振興会 棒鼻筆頭 松村友和さん
「やっぱり4年ぶりということで、やっぱ気持ちが入りますし、やっぱり、まずやっぱ楽しくこの祇園を、そしてやっぱり怪我がないように熱中症等に気をつけながら楽しんでいきたいなと思っております」


 

ーー若宮町 後藤英明会長
「やっと、祇園の夏が来たなという感じがしております。今日、多くの観光客が来ていただいて、今から本番のね22日23日に向けて、頑張っていきたいと思っています」

300年の伝統を守りつつ、地域の力を繋ぎつつ、今の時代に合わせた形を見つけようとしている日田祇園は、今週末の22日(土)、23日(日)に行われます。

 

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