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12年前の東日本大震災では、津波により甚大な被害が出ました。
その教訓をもとに「津波災害警戒区域」の指定が始まり、大分県内では3月末に3市が初めて指定されることになりました。
指定に伴い、義務化されることなどをお伝えします。
2011年3月11日の東日本大震災で、各地に甚大な被害をもたらした津波。
震災から12年ーー
津波被害が想定される南海トラフ巨大地震に備えようと、大分県は3月31日付で県内では初となる「津波災害警戒区域」を指定することになりました。
対象は佐伯市と津久見市、そして臼杵市のうち、津波による浸水が想定されている地域です。
対象地域で変わることとは…。
ーーTOS白井信幸記者
「こちら佐伯市役所周辺も、津波災害警戒区域に指定されることになります。こちらが周辺の区域図ですが、10m四方ごと10センチ単位で、想定される浸水の深さが表示されます」
警戒区域では想定される最大クラスの津波の浸水範囲が細かく示され、これまでのハザードマップよりさらに詳しくなっています。
また、指定された地域では、様々な義務が生じます。
まずは不動産会社。
ーー大分県宅地建物取引業協会 矢野伸一・佐伯支部長
「災害警戒区域に指定されたことは、説明する義務が発生します」
契約にあたり、土地や建物が警戒区域にあることを伝える義務が生じます。
一方、こちらは佐伯市内の保育園。
Q:津波が来たら?
ーー保育園児「高い所に逃げる」
園の避難計画に基づき、1年に3回、避難訓練を行っています。
対象のエリアでは、社会福祉施設や学校など、様々な施設にこうした計画の作成が義務付けられます。
ーーみなと保育園 三輪芳嗣園長
「市と連携を、かなりとっていかなければいけなくなると思うので、頑張っていきたいです」
大分県は、この津波災害警戒区域の指定を沿岸部の市町村全てで行う方針です。
一方、課題も…。
ーー大分市防災危機管理課 阿部一也課長
「(発生)確率が低く、どのように調整して周知を図っていくとか難しいと思っています」
大分市の津波ハザードマップで色付けしているのは、南海トラフ巨大地震の浸水エリア。ただ、別府湾を震源とする地震でも津波が想定されていて、こちらについては津波の到達点を赤い線で示しています。
その理由は、2つの地震の発生する確率。
30年以内の発生確率は、南海トラフ巨大地震が70%~80%なのに対し、別府湾震源の地震は、ほぼ0%となっていて、より発生が懸念される方について重点的に警戒を呼び掛けてきました。
しかし、津波災害警戒区域への指定は、色付けされていない地域でも行われるため、住民が混乱しないよう、どのように情報発信を行うか、検討が進められています。
「津波から命を守る」ために指定される津波災害警戒区域。
もしもの時に備えるため、効果的な運用が求められます。