献血のその後は…「有効期間4日の成分も」コロナとインフルで供給に課題も【大分】

2023年01月29日 13:30更新

「献血」。

 

冬場のこの時期は、体調を崩す人が増えて、協力者が例年少なくなるそうです。

 

ましてことしは、新型コロナ第8波やインフルエンザの影響で、一層少ないそうです。

 

 

より多くの人に、献血に協力していただきたい。

 

「献血ルームのその向こう」にスポットをあててみました。

 

命を救う「献血」

 

病気やけがなどで、輸血が必要な患者さんを救うための献血ーー

 

 

大分県では、「トキハわさだタウン」にある「献血ルーム わったん」と、各地を巡回する献血バスで献血をすることができます。

 

 

 

ーーTOS小笠原正典キャスター

 

「私も今、成分献血の真っ最中なんですが、ここで採った血液や血漿が、このあと必要とされる方にどうやって届くのか、実は私も知らなかったんです。見ていきましょう!」

 

献血が私たちの元に届くまで・・

 

献血ルームや献血バスで採血されたものは、一度、大分市荏隈(えのくま)の「大分県赤十字血液センター」に集められます。

 

 

そこから、1日3回、福岡県久留米市にある「九州ブロック血液センター」に運ばれます。

 

 

 

ここは、九州・沖縄8県の血液事業の中心となる場所。

 

ここではまず、血液型検査や感染症予防のための抗原・抗体検査などの検査を行ないます。

 

 

 

その後、血液の成分ごとにわけて「輸血用血液製剤」を製造します。

 

「赤血球製剤」「血漿製剤」「血小板製剤」の3種類です。

 

 

 

九州ブロック血液センターで作られた血液製剤が、大分県赤十字血液センターに運ばれてきました。

 

これは、大分県内の病院での需要を見極めながら、大分県のセンターが発注したものです。

 

 

戻ってきたのは「供給作業室」。

 

 

◆大分県赤十字血液センター 学術情報・供給課 森島賢靖課長

 

「ここは供給作業室と申しまして、大分県の血液の供給の拠点となっています」

 

 

 

大分県内の病院からの発注にすぐに対応できるように、有効期限を考えて、適正な数を大分県のセンターで確保し、保管しています。

 

 

例えば、血小板製剤。

 

これは有効期間が4日間しかありません。

 

 

 

県のセンターで抱えすぎても期間が過ぎてしまって貴重な製剤がムダになってしまいますし、逆にストックがないと病院からの急なオーダーに対応できません。

 

 

血小板は、じっと置いておくと酸性化してしまうので、揺らしながら保管しています。

 

 

ちなみに、赤血球製剤の有効期間は21日。

 

こちらは、冷蔵庫で保管されています。

 

 

 

また血漿製剤は、マイナス20℃以下の冷凍室で保管されています。

 

 

 

ここ「供給作業室」には、県内の170の医療機関から、平日で1日約90件の発注があります。

 

 

命を救う血液製剤。

 

供給作業室の皆さんは時間との戦いでもあります。

 

 

 

◆大分県赤十字血液センター 学術情報・供給課 森島賢靖課長

 

「 献血者の皆さま、いつも献血にご協力ありがとうございます。皆様のご協力がなければ、血液センターは医療機関に血液をお届けすることができません。今後ともどうぞ、ご協力のほどよろしくお願いいたします」

 

 

1日約90件の発注を、8つのルート16便で、大分県内の病院に届けます。

 

 

 

さあ、出発の準備ができました。

 

 

「献血ルームのその向こう側で」

 

みなさんの献血が、さらにたくさんの人の手を経て、患者さんまで運ばれていました。

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