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大分県佐伯市で歯科医師として働くひとりの男性。
歯科医師として働きながら取り組んでいるのが「林業」です。その中でも、「小さな林業」と呼ばれる自伐型林業です。
仕事を続けながら家族から受け継いだ山をどうつないでいくのか、その背景などを取材しました。
佐伯市蒲江で歯科医院を営む戸高勝之さん。
そんな戸高さんが毎日のように通う場所があります。
到着したのは近くにある山林。ここで取り組んでいるのが…
林業を通した山の整備です。
記者:「きれいな道が出来ているが戸高さんたちが整備した場所?」
ーー戸高勝之さん
「そうです。(以前は)ほとんどその辺のやぶに入っていくのと同じようなレベル」
これまで林業の経験は無かった戸高さんですが、父親から引き継いだ山を整備するため林業を始めることを決意しました。
その方法に戸高さんが選んだのが「小さな林業」と言われる自伐型林業です。
ーー自伐型林業に挑戦 戸高勝之さん
「小さな林業で自然を守りながら出来るんじゃないかと思った」
林業では、複数の重機を使い大人数で一気に木を切り出す「大きな林業」が主流です。
一方、小さな重機を使い少人数で行うのが自伐型林業。
初期費用が抑えられるほか、一度に切り出せる木は少ないものの、森を維持しながら持続的に行うことが可能です。
戸高さんは去年10月から林業従事者など3人に作業を委託し、林道を整備しました。
使う重機は1台のみ。
また、長年自伐型林業に取り組んでいる専門家にも手伝ってもらいました。
その結果、荒れていた山に遊歩道を兼ねた、およそ800メートルの林道が完成しました。
ーー自伐型林業の専門家 橋本光治さん
「大きい林業は否定はしない。生産量を上げようとしたら必要だが、全国的には自然を破壊しているところが多い。自伐型林業をやる人がもっと増えて欲しい」
戸高さんたちは去年10月からこれまで、スギやヒノキなど40本を間伐し、およそ10万円を売り上げました。
ーー自伐型林業に挑戦 戸高勝之さん
「この林業の形が広まってくれて、それぞれの地区でやりたい人が出てきたらいい。そこで雇用が出来て、生活の場に山が含まれるようになってくるといい」
SDGsの目標のうち「陸の豊かさも守ろう」に繋がる自伐型林業。
持続的に森を守ろうという取り組みに注目です。
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