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ウクライナ侵攻で大分県内に避難してきた人たちの今
ロシアによるウクライナ侵攻で大分県内に避難してきた人たちについて。別府市で仕事を始めた聴覚障害のある男性や、避難者の支援を続け移住した女性を取材しました。
ロシアによる侵攻で妻と離れて暮らす
手話を使い、楽しそうにコミュニケーションをとっているのは、ウクライナから別府市に避難してきたコバレンコ・バーディムさんです。2歳の頃、木から転落し両耳が聞こえなくなりました。
ウクライナ中西部の都市で、同じく聴覚障害のある妻と暮らしていましたが、ロシアによる軍事侵攻を受け一緒にポーランドに避難。しかし環境が合わず、妻は娘が住むウクライナに戻り、コバレンコさんはことし9月に別府市に避難してきました。
社会福祉法人に就職
そんなコバレンコさんを受け入れたのが、障害者の自立支援を行う社会福祉法人「太陽の家」でした。
ーー太陽の家 山下達夫理事長
「ぜひ太陽の家としても障害のある人を受け入れていきたいという思いが最初のきっかけ」
11月、正式に採用され週に5日、勤務しています。この日はパソコンを運んだり、部品を箱から取り出す作業を行っていました。
ーー太陽の家 安部政弘指導員
「働く姿勢はとても熱心で仕事も真面目で、仕事を覚えようという気力がとても高い」
日本人のスタッフとは翻訳アプリや手話を使ってコミュニケーションを図っています。
コバレンコさん「いつか妻も別府で一緒に住めたら」
以前から日本が好きだったと言うコバレンコさん。別府市の魅力や接する人たちの優しさに触れ、いつか妻も別府市で一緒に住めたらという思いが芽生えています。
ーーコバレンコさん
「私は日本の良い文化についてよく知っています。別府では山と海が本当に好きです」
「より手厚い支援を」別府市に移住
一方、こちらは別府市内の中学校。
ことし4月にウクライナから避難してきたキリロ君が通っています。通訳しているのは、ウクライナ出身で避難者の支援を行っている小野ヤーナさんです。より手厚い支援をしたいとことし10月、長崎県から家族と一緒に別府市に移住。
11月からは言語や生活を支援する母語支援員として市に採用され、学校に通うウクライナの子どもたちの通訳などを行っています。この日は日本語の敬語を学びたいというキリロ君に、尊敬語や謙譲語の使い分けを説明していました。
ーーキリロ君
「ウクライナ語で説明してもらえるからわかりやすくなった」
ーー小野ヤーナさん
「日本語の支援といろいろ問題があったら解決するための支援など何か困ったら助けに行きたい」
別府で新たな道を歩み始める
障害と言葉の壁を乗り越えながら仕事に励むコバレンコさん。
より豊かな学校生活を送ってもらおうと支援を始めたヤーナさん。
2人は別府で新たな道を歩み始めています。