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手書きの良さが見直されている昨今ですが、大分の技術が結集した万年筆がファンに注目されています。
企画から組み立てまで…大分の技術が結集した万年筆
大分県内の複数のものづくり企業が力を合わせて作った「STARDUST万年筆」。
企画から設計、加工、組み立てなどがすべて県内で行われました。
企画をしたのは、「大分にこだわった、大分のいいもの」を企画・販売するOita Made。
OitaMadeでは3年前に、「大分の企業」と「セーラー万年筆」とで万年筆を作ったことがあり、それは現在も順調に売り上げを伸ばしています
仕掛け人の中道さんです。
◆Oita Made 中道正晴さん
「元々、ジャパンブルー万年筆というものがあったのが大きいきっかけではあったのですが、大分で、その万年筆を“全て”できないかなという思いもありまして」
大分の技術の結晶。
どう作られているんでしょうか?
前作も手掛けた佐伯の長尾製作所。精密板金加工を得意とする会社で、“半導体や液晶を作る機械”の部品などを製造している会社です。
このスターダスト万年筆は長尾製作所の2つの技術がポイントになっています。
「不可能」を「可能」に 天然色素でアルミニウムに色を与える
ひとつはアルミニウムに色を与える技術。
青は、植物の藍の青。紫鉱の赤は、昆虫の分泌物から生まれる染料です。天然色素を使ってアルミニウムに色をつけることは、これまで不可能といわれていました。
◆長尾製作所 長尾辰則専務
「人工的に色をつけるカラーアルマイトという表面処理技術の応用です。天然の藍を配合した独自染料を私ども長尾製作所が開発をしました」
藍染のように天然染料を使ってアルミニウムに色をつける。6年ほど前から取り組んでいる、長尾製作所独自の技術です。
漬ける時間や温度湿度で微妙に変わる色合いは、この万年筆の「味」になっています。
もうひとつは「槌目加工」。表面を細かく、丁寧に叩いて装飾する技術です。
平面ではないキャップやボディに対して均一に叩く技術は川野さんならでは技術です。
「一般には目につかない」繊細な技術
設計や加工を担当したのは、同じく佐伯市にある「豊州モールド」。
医療現場で使うものを作るための金型などを制作する会社です。
寸分の狂いなく穴を開けるといった正確で繊細な技術がこのスターダスト万年筆にも注がれています。
◆豊州モールド 伊賀弘文代表取締役
「弊社の製品というのは、一般の方には目につかないところでおさめているもの。この加工には弊社も携わっているんだよ、ということを自慢できたりして、それが一番嬉しかったですね」
ペンケースや桐箱も…全てが大分生まれ
さまざまな部品を組み立てて、STARDUST万年筆に仕上げているのが「ワンチャー」。文房具などの製造や販売を行う豊後高田の会社です。
そして附属のペンケースも大分生まれ。七島イで履物などを製造する国東の会社ですし、高級感を引き出す桐箱は中津の老舗が作っています。
大分の技術が結集したSTARDUST万年筆。
すでに150本以上が販売され、全国の万年筆好きが気になる存在になっています。
◆Oita Made 中道正晴さん
「大分の企業さんに売上にも貢献ができると思いますし、PRにもつながる取り組みにもなると思っているので、大分の企業が、大分が活性化していけばいいなと思います」