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静岡県のこども園で3歳の園児が送迎バスに置き去りにされ亡くなった事件では、園のずさんとも言える安全管理が浮き彫りになった。
悲劇を起こさないために子どもたちの安全をどう守るか、大分県内の幼稚園での取り組みを取材した。
夏の車内 わずか20分で40℃に‥
9月5日、静岡県牧之原市のこども園で3歳の女の子が送迎バスにおよそ5時間にわたり置き去りにされ、重度の熱中症で亡くなった。
事件を巡っては、園がバスを降りた園児の名前や人数を確認しなかったことなど安全管理が問題となっている。
エンジンが切れた車の中ではこの時期、どれだけ温度が上がるのか。
JAFが8月末に行った実験。
日なたに駐車した場合、最初は27℃だった車内はわずか20分で40℃に達した。また、日陰に止めた場合でも30分後には35℃となり、日陰でも危険な状態になることが分かる。
「私たちも他人事ではない」
大分市の「のだ山幼稚園」。
静岡での事件を受けて、この幼稚園では送迎時の安全対策などを徹底することを改めて職員に周知したという。
ーーのだ山幼稚園 田川敏明園長
「また起こったんだなということで、子どもたちの大事な命を預かっているので私たちも他人事ではない」
保護者の入力情報をもとに人数確認
朝のバスのお迎えの時間。
どのように安全対策をしているのか。
こちらの幼稚園では、園児のおよそ半分にあたる130人ほどが送迎バスを利用。
毎朝、バスが6つのコースを走り園児を迎えにいく。
こちらの園ではインターネットを活用し、どの園児が送迎バスを利用するか毎朝、確認している。保護者は、バスを利用しない場合はスマートフォンなどから「欠席」や「保護者が連れていく」などを選んで園に報告することになっている。
その情報と照らし合わせながら、バスに乗った職員が園児が乗車してくるか確認しているという。
ーー職員は
「子どもたちのきょう来るメンバーがちゃんとそろっているか人数確認を徹底している。例えば4人来るはずなのに3人しかバス停にいない場合は職員室に無線で確認をする」
運転手と職員でダブルチェック
およそ1時間かけてルートを回った後、園に到着。
到着後は園児がきちんとバスから降りているか、運転手と乗っていた職員によるダブルチェックを徹底していて、結果を園長に報告するのが決まりとなっている。
ーーのだ山幼稚園 田川敏明園長
「“だろう”っていう意識は絶対にいけないと思う。指差しチェックなどが大事、運転手、添乗員、他の複数の職員で確認していくことが非常に大事だと思う」
大切な子どもの命を守るため、各施設が安全への意識をこれまで以上に高め、課題の見直しなどを行うことが求められている。