“夜明駅3番線”に「最終列車」 豪雨被災で5年間時が止まったまま‥BRTで復活へ

2022年09月07日 16:00更新

大分県日田市にあるJR夜明(よあけ)駅。

夜明駅は久大本線と日田彦山線の分岐駅です。

 

日田彦山線の日田から添田の間は2017年の九州北部豪雨で被害を受けて以来不通になっていて、現在は代行バスによる輸送が行われています。日田彦山線が使っていた夜明駅の3番線は、全く使われていない状態だったのですが8月27日、28日に、お客さんを乗せるのは最後となる列車が入りました。

 

その様子を取材しました。

 

豪雨で被害 5年間時が止まった“3番線”

 

2017年の九州北部豪雨。日田彦山線は大きなダメージを受けました。

 

 

福岡県の添田駅と日田駅を結ぶ区間は現在も代行バスが走っています。 

 

 

添田駅と日田駅の間は来年の夏、新たにBRTバス高速輸送システム「ひこぼしライン」が開業することになっています。

BRTとは、バス高速輸送システムのことで、一部バス専用道路を走ることで速さと正確さが特徴のシステムです。

 

日田駅から久留米方向に2つめ、小さな無人駅の夜明駅。

「夜明」という駅名の美しさで知られている駅でもあります。

 

 

1番線、2番線は久大本線。

日田彦山線が出入りしていたのは3番線。ここだけ5年間、時が止まっています。

 

もう使われることがないと見られていた3番線ですが8月27日と28日の2日間、この3番線を発着するJRの特別ツアーが開催されました。 

5年ぶりの、そしてこれが最後の、日田彦山線夜明駅3番線です。

 

3番線最後の日

 

特別ツアーの日、駅にはたくさんの鉄道ファンがやってきました。

 

ーー鉄道ファンは

「入線するところを撮りたいなと思って、福岡からやってきました」

「寂しい気持ちではありますね。鉄路が無くなるって」

 

 

駅で待ち構えていた鉄道ファン、そしてツアーの参加者が3番線最後の列車を写真に収めます。

 

ーー佐賀県から訪れた男性

「感無量。これが最後というとちょっと残念で仕方がないんですけど、これも仕方のないことなんで、今度からBRTも楽しみに、ここを訪ねてきたいと思います」

 

 

列車の車窓はBRTで復活

 

今回のツアーの行程のひとつに、来年夏に開業のBRT「ひこぼしライン」の工事現場を巡るバスツアーがありました。

福岡県東峰村にある筑前岩屋駅そばの釈迦岳トンネル。

かつて列車が走ったこのトンネルを、来年はバスが走ります。

 

高さ20m、長さ70mの栗木野橋梁もめぐります。棚田が広がる車窓も来年、BRTで復活予定です。

 

 

地域の思いを乗せたBRTは来年夏、開業予定です。

夜明駅3番線、もう列車が走ることはありません。

 

 

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