遊びながら環境を意識できる「おもちゃ」を 情報科学高校SDGs部の夏【大分】

2022年09月07日 12:50更新

高校生たちがこの夏に取り組んだ一場面を紹介します。

 

スポーツに打ち込むのも、音楽に心を捧げるのも、誰かのためにひたすら考えることも青春。

大分県大分市の情報科学高校「工業部 SDGs知的財産班」、通称「SDGs部」は今年誕生しました。でも、一体何をする部なのでしょうか?

 

「SDGs部」の活動とは?

 

この日行っていたのは、SDGsの17の目標を小学校に通う前の子どもたちでもわかるようにシンプルな言葉に置き換える作業です。

 

◆伊東楓花さん(3年)

「SDGsとは何か、どういう取り組みをしていけばいいか?と言うのを私たちが学んで、それを若い人たちに発信していけたらな…と思いながら、日々、活動しています」

 

そもそもSDGsとは、国連で採択された、これからも地球が続いていくために2030年までに達成したい17の目標のこと。世界中で取り組んでいかねばならない大切な問題です。

 

 

捨てられる木材でおもちゃ作り

 

SDGs部の活動の幅を広げた出来事が5月にありました。

大分市の建設会社が始めた、建築現場で出た使わない木材を無償で提供する「残材バンク」という取り組み。環境問題に取り組むアイデアです。

 

 

これに手を挙げた一つが「情報科学SDGs部」でした。

部員たちはこの残材で「おもちゃ」を作り、子どもたちにプレゼントすることにしました。

 

捨てられる木材を使って積み木やブロックを作ります。「もったいない」の実践です。

 

さらに、部員たちにはアイデアがありました。

遊んでもらいながら知らず知らずのうちに、環境のことを意識してくれるようになったらいいな、という仕掛けです。

 

◆伊藤有唯(ゆい)さん(3年)

「パズルを組み立てたら、これは燃えないゴミだとか、全部そうだろうとか、小さい子でも遊びながら覚えれるように、みんなで考えました」

 

SDGs部の「おもちゃ」作り。

地球環境のこと、子どもたちのこと、そして、もっとSDGsのことを知って欲しい自分達と同じ若い世代のこと、色々な顔を思い浮かべながら、試作品に取り組みます。

 

 

完成に向け試行錯誤を重ねる

 

試作品が完成しました。

このおもちゃで子どもたちは遊んでくれるのか、残材を提供してくれた建設会社がその場所を提供してくれました。その会社が運営する保育園です。

 

◆保育園の先生

「もうすこし面取りをしたほうがいいかな。ここちょっとケガするかな」

 

◆佐藤凛さん(3年)

「鋭い部分があったりとか、角を丸くしなきゃいけないところだったりとか、そういうところは改善点としてはっきり見えてきたので、これから改善していきたいと思います」

 

◆臼井栄仁園長

「残材というのは、僕たちが出しているものなんですね。これを地元の高校生が加工して、再利用して、僕たちの保育園に届けてくださるというのは、循環してるなと感じられて、本当にSDGsだなと思いました」

 

アドバイスを参考に、新たな「おもちゃ」づくりが始まりました。

今度は「完成品」として保育園にプレゼントをする予定です。

 

 

情報科学高校SDGs部。

夏休みは「おもちゃ」づくりに打ち込みました。

みんなの心にSDGsの種を撒くおもちゃです。

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