80万円の“御殿灯籠”燃やし‥故人の霊見送る「精霊送り」減少も伝統守る

2022年08月18日 14:00更新

大分県宇佐市長洲地区で15日、国の選択無形民俗文化財に登録されている精霊送りが行われた。

 

初盆に行う「精霊送り」

 

静かに手を合わせる人たち…。そしてその前には豪華絢爛な飾りが。

「御殿灯籠」と呼ばれるもので、宇佐市長洲地区では初盆を迎えた家庭が作り故人の霊を見送る精霊送りに使う。

 

こちらの家庭では96歳で亡くなった加藤オチヨさんのために、およそ80万円かけて作りました。

 

 

こちらの家庭では96歳で亡くなった加藤オチヨさんのために、およそ80万円かけて作りました。

 

◆孫 三浦真也さん

「私の祖母は90歳近くまで行商をやっていて、賑やかに送り出してあげようということで今回、御殿灯籠を出すに至った」

 

惜しげもなく燃やす

 

お盆最終日の15日

この御殿灯籠を外に出すと親族などが担いで運んでいく。

 

到着したのは墓地。

ここで惜しげもなく燃やしていくという。

灯籠が炎に包まれていく様子を見守りながら、故人の冥福を祈っていた。

 

 

◆孫 三浦真也さん

「祖母も喜んでいるんじゃないかなと思っている。この御殿灯籠を出して本当に良かった」

 

40年ほど前は70基 現在は8基のみ‥

 

国の選択無形民俗文化財にも登録されているこの伝統行事。

およそ40年前には70基ほど作られていたという灯籠ですが、ことしは8基のみに…核家族化などでその数は減っている。

 

かつて地区に10軒以上あったという工房も今では1軒のみとなっていて、伝統を守っていこうとする有志たちによって何とか続けられているんです。

 

◆灯籠を作るメンバー 加嶋洋喜さん

「喜ばれて非常にうれしい。資料とかを残して、後世に伝えていきたいなと思っています」

 

故人の霊を供養するお盆の伝統行事を守りたい。

地域の人達の思いによって、この精霊送りが続けられている。

 

 

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