相撲「ウクライナ代表」を故郷に誘致 男性の思いとは

2022年06月22日 12:00更新

ロシアによる軍事侵攻を受け大分県宇佐市で合宿を行っていた相撲のウクライナ代表チームが15日朝、大分県を離れました。

およそ2週間に渡った今回の合宿。実現の裏には宇佐市出身の男性の存在がありました。

回し姿で激しくぶつかり合う相撲のウクライナ代表チーム。

 

7月にアメリカで開かれる世界大会に出場するものの、ロシアによる軍事侵攻の影響で祖国での稽古が困難になったため宇佐市でおよそ2週間に渡る合宿を行いました。

 

相撲代表チーム「宇佐合宿は全てが最高のレベルで整っていた」

 

充実した稽古を終えた選手たち。

出発を翌日に控えた14日夜、地元の人たちが壮行式を開きました。

 

◆リュボヴィ チームマネージャー

「全てが最高のレベルで整っていて、自分たちが家のようにここにいられたことが何よりも嬉しかったです」

 

両者が交流を深める様子を感慨深く見つめる1人の男性…。

 

 

◆三池哲也さん

「私自身もここに来て良かったとしみじみと思いました」

 

出身地・宇佐市の小学校には必ず「土俵」 やったことはなくても相撲は”身近な存在”

 

三池哲也さん、55歳。

今回の合宿のきっかけを作り、期間中も陰から支えてきました。

三池さんは宇佐市の柳ヶ浦出身で小学校を卒業するまで過ごしました。

 

◆ウクライナ代表の宇佐合宿を手掛けた三池哲也さん

「この体形ですからよく相撲出身者と言われますけど、実際にはやったことは無くて。ただ、宇佐の場合はどこの小学校にも当時は必ず運動場の片隅に土俵がありましたので、よく休み時間とかにみんなで相撲を取ったりとか、そういう思い出ですね」

 

 

三池さんはおよそ30年前に日本とロシアの文化交流を手掛ける協会を立ち上げ、隣国のウクライナの人たちとも多く接していました。

そんな三池さん、知人を通して、ウクライナの相撲の代表チームがロシアによる侵攻を受けて稽古が出来なくなっていることを知りました。

 

◆三池哲也さん

「真っ先に思い浮かんだのが自分の郷里である宇佐なんですね」

 

故郷の宇佐市などに掛け合い、今回の合宿を実現させました。

 

「昭和の大横綱」双葉山を輩出 相撲が盛んな宇佐市での合宿は

 

「昭和の大横綱」双葉山を輩出し、相撲が盛んな宇佐市での合宿。悲惨な状況の祖国を思いながらも地域のサポートを受け充実した日々を過ごしました。

 

 

◆スヴャトスラヴ・セミクラス選手 

「取り組みもできましたし、多くの人が来て一緒に土俵で戦うことができたので、すごくいい経験になりました。本当に感謝しています」

 

期間中、選手たちを献身的にサポートした三池さん。

ウクライナに1日も早く平穏な日々が戻ること、そして今回の合宿をきっかけに、両者の交流が続いていくことを期待しています。

 

◆三池哲也さん

「宇佐とウクライナの間で相撲だけじゃなく、色々な形で交流ができるような、そういう未来にできたらいいなと願っています」

 

「サポートはこれからも」三池さんの思いは

 

 

ウクライナの相撲代表チームは15日朝に宇佐市を離れ、愛媛での合宿を経て7月の世界大会に臨みます。

これからもサポートを続ける三池さん。

次に古里・宇佐に戻る時はウクライナでの争いが終わり、交流がさらに深まる様子をそばで見たいと心の底から願っています。

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