愛する犬猫との命綱 マイクロチップと鼻紋認証アプリ もしもの時に

2022年06月17日 14:55更新

改正・動物愛護管理法によって、6月からペットショップなどで販売される犬や猫にマイクロチップの装着が義務化されました。今回は、このマイクロチップをはじめ、犬や猫のセーフティネットを考えます。

 

マイクロチップ。

長さは1センチちょっと。直径は2ミリほどです。専用の注射器で皮膚の下に入れます。一度装着すれば外れて落ちる心配はほぼありませんし、動物に苦痛を与えるものではありません。

 

 

記録されているのは「15桁の数字」で、ここから飼い主の情報が分かるため、迷子になってしまっても飼い主の元に戻れる可能性は高まります。戻れなくて「殺処分」になってしまうことを防ぐことができるんです。

また、「ペットの飼育放棄」などを防ぐことも期待されています。

 

災害時や迷子、盗難…マイクロチップは「あなたの家族」を守る

 

 

今回の改正では、繁殖業者には装着と登録の義務。

お店や飼い主には情報の変更登録が義務付けられています。

ただ、新しく迎え入れても知人から譲り受けたり、保護犬などを迎え入れた場合や、「試行以前に所有していた」犬や猫に関しては「装着の努力義務」にとどまります。

 

ペットの安心のためにマイクロチップの装着をどう普及させていくかが今後のカギになります。

犬の鼻のシワ「鼻紋」をスマートフォンを使って撮影し、個体識別をするアプリが今、注目されています。

 

◆スモア 沢嶋さつきさん

「ワンちゃんのお鼻が人間でいう指紋のようになっているので、鼻をスキャンすることで、いわゆる「顔認証」、「お鼻認証」できるようになる。つまり、このワンちゃんがこの子です、という個体識別ができるようになるシステムです」

 

 

世界で一つだけの「鼻」で個体識別

 

 

飼い主さんにご協力いただき、愛樹(アイキ)くんの登録をやってみます。

まずは、飼い主の情報、そしてアイキくんの情報を入力します。

年齢や性別はもちろん、病歴、飲んでいる薬、普段食べているフードなども万が一の時の重要な情報になります。

 

そして、鼻紋を動画で撮影。これを登録すれば完了です。

NoseIDに登録をしていれば、飼い犬が迷子になってしまった場合も迷い犬を見つけた場合も「鼻紋」を頼りに、飼い主同士がつながっている状況になリます。

 

 

災害時に離れていてもペットの状況を把握

 

 

さらに、災害時にはこんな安心も。

 

◆スモア 沢嶋さつきさん

「やむをえず、わんちゃんを預けないといけない時、離れ離れで避難をしなければいけない時、そういう時にも預かってくださる方が鼻をスキャンすると、この子の状況がわかるので、お薬をこう言うふうに飲まなきゃいけない、病気のある子ですね、がわかるので素早い措置につながります」

 

現在、登録数は全国で5000ほど。

認証精度を上げるためには1万の登録を目指しているそうです。

また現在はテスト版で一部の機能はまだ限定的。もうまもなく本格稼働です。

 

 

新しい飼い主との出会いめざし、長年、保護犬のグルーミングのボランティアをしている渡邉さんです。

 

◆グルーミングサロンHUG.DOG 渡邉美紗子さん

「目に見える命綱って、リード、ハーネス、首輪だったり。目に見えない命綱もあると思っていて、それがNoseIDとか、マイクロチップだったりと思う。迷子になった時もそうだし、時に災害時っていうのは混沌とした状況になるので、そういう時には目に見えない命綱が一番彼らを守れる」

 

マイクロチップは、絶対落とすことのない名札。

鼻紋認証アプリは、愛犬家のつながりをより広げるものになりそうです。

万が一に備え、命綱をひとつだけでなく複合的に備えておくことが、これからの飼い主の務めのようです。

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