友好の証で野生のサルをウルグアイへ…計画に動物愛護団体が「待った!」サルの負担懸念

2022年06月07日 19:20更新

大分県の高崎山に生息するニホンザルについて、大分市が友好の証としてウルグアイに寄贈する計画を進めています。
一方で、動物愛護団体からは撤回を求める声もあがっています

 

たくさんの野生のサルに会える大分市の高崎山。
市を代表する人気の観光名所の1つです。

今回、海を渡ることになったのは、寄せ場にも下りてきていないいわば「純」野生のサルたちです。

 

◆大分市観光課 安達浩課長
「ウルグアイと大分市の友好の懸け橋のような形で、ずっと将来にわたって続けていく関係が出来たらということで、サルを寄贈する」

 

 

 

2019年に大分も開催地の1つになったラグビーワールドカップ。
ウルグアイ代表チームが大分市をキャンプ地としたことが縁でこの度、友好の証として高崎山のサルが現地の動物園に寄贈されることになりました。

高崎山のサル生息地は国指定の天然記念物となっていて、サルの捕獲は禁止されています。このため今回は、捕獲禁止エリアから離れた場所で知事の許可を得た上でサルを捕獲する計画です。

 

実は高崎山のサルが海を渡るのは今回が初めてではありません。
2018年にイタリア・ローマの市立動物園では、高崎山のサルの子孫たちに実際に会うことができました。

 

 

その先祖が、1977年に30匹のサルが大分市からローマに贈られたんです。

 

友好の証としてサルが活躍する一方で、今回の計画については動物愛護団体から反対の声があがっています。

 

 

 

◆NPO法人動物実験の廃止を求める会 和崎聖子事務局長
「私たちとしては非常にあきれている。強く反対している」

こちらの団体では、サルへの負担が大きいなどとして大分市と県に対し撤回を求める要望書を提出しています。

◆NPO法人動物実験の廃止を求める会 和崎聖子事務局長
「今回の寄贈計画だと一部を捕獲して贈ることになるので、群れを引き離すということになってそれはサルたちにとって精神的苦痛を受ける」 

 

こうした中、街の人は・・・

◆街の人は
「サルがあっちに行って環境も違うだろうし、気候とか大丈夫なのかなといらない心配はしてしまう」
「そういう動物を通じて友好関係が築けるなら私はいいかなと思う」

 

大分市は今年度予算に700万円を計上し、来年の2月に捕獲する準備を進めています。
はたして高崎山のサルたちは、およそ半世紀ぶりに海を渡ることになるのでしょうか。

 

 

 

 

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