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肺がんは禁煙後にもリスク
肺がんの原因の1つと言われているのが、〝タバコ〟です。
肺がんのリスクを下げるため「禁煙」に取り組む人もいますが、禁煙すればすぐに大丈夫!……とはいかないようです。この表をご覧ください。
禁煙をしてもすぐには肺がんのリスクは減らず、タバコを吸わない人と同じ程度のリスクまで下がるには禁煙後20年もかかるそう。
それでも時間とともに相対的にリスクは下がっていくので、やはり早めの禁煙が効果的です。
この肺がんと喫煙との関係などについて、大分大学医学部 呼吸器・乳腺外科学講座の杉尾賢二教授にお話しを伺いました。
肺がんのリスクについて話す杉尾医師
がんの中でも最も多い死亡原因
Q:肺がんとはどんな病気ですか?
「肺は空気が通る気管支と酸素を取り込む肺胞からできていて、この気管支から肺胞にできるのが肺がんです。毎年13万人ぐらいの人が肺がんに罹り、亡くなる人が7万5千人ほどいます。全てのがんの死亡の2割が肺がん。がんの中で一番多い死亡原因になります」
Q:原因は
「肺がんの原因はほとんど遺伝ではありません。環境的な要素が大きく喫煙もその一つです。タバコに関係している肺がんはだいたい半分くらいの割合と思います。肺がんには色んな種類があります。タバコと無関係の人でも肺がんになる人がいます。明らかに原因となるタバコとアスベスト(石綿)以外ではほとんど直接的な原因となるものは分かっていません。」
Q:自覚症状は?
「比較的早い段階の肺がんにおいて症状はほとんどありません。ある程度、進んだ状態で症状が出るので、症状がないので大丈夫というわけではないです」
Q:肺がんを見つけるには?
「まずは通常のレントゲン写真、そしてCT検査は精度が高いので必須です。写真で肺がんが疑わしい場合は組織検査を行います。肺の病変の一部を取ってきて顕微鏡検査を行いがん細胞の有無を調べます。これが一番確定的な検査となります。それに加えて最近ではPET検査があります。肺はもちろんですが全身的にがんの進行を見る検査です。肺がんは脳に転移しやすいと言われています。PET検査では残念ながら脳転移の検出はできませんので、脳だけはMR検査が必要です。」
肺がんの治療方法について
肺がんは進行度合いによって様々な治療方法があります。こちらは大分大学医学部 呼吸器・乳腺外科講座の小副川敦准教授にお話しを伺いました。
肺がんの治療方法について話す小副川医師
Q:治療方法は?
「早い段階で見つかった人には手術が適しています。手術方法には従来から行われている直接、胸を開けて肺を切除する開胸手術。数か所の小さな創からカメラや器具を挿入する内視鏡手術の2つがあります。内視鏡手術は小さな創で行うので手術後の痛みが軽く回復が早いです。」
Q:手術以外の治療法は?
「手術に耐えられないような人の場合は、放射線を用いて治療を行うことがあります。また、他の場所(臓器)に肺がんが転移している場合には薬を用いた治療になります。薬には、従来の抗がん剤、分子標的薬、がん免疫治療薬があります。肺がんの検査方法も治療方法も格段に進歩しているので、がんの疑いのある場合には怖がらずに早めに受診してほしいです」
肺がんの原因や治療法、喫煙との関係について詳しく解説していただきました。
詳しくは動画をご覧ください。
予防方法! 早期発見!
最後に杉尾医師から肺がん予防のポイントです。
・日頃の生活でタバコや空気の悪い環境を割ける。
・50代になった人は、がん検診を。できればCT検査!
・いつの時代も早期発見・早期治療!これにつきます。
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