経済効果は100億円以上!?宇宙ビジネスをチャンスに 県内でも動き活発化

2021年11月05日 19:00更新
1992年の9月12日、宇宙飛行士の毛利衛さんがスペースシャトルで飛び立った。
これを機に9月12日が「宇宙の日」と定められた。
 
あれから30年となる来年、大分空港から人工衛星を打ち上げる計画が進む中、宇宙ビジネスに乗り出そうという動きが県内でも始まっている。
 
航空機から切り離されさらに上空に向かう人工衛星。
アメリカの企業、ヴァージン・オービット社が行った打ち上げ。
 
そのヴァージン・オービット社がアジア初の打ち上げ拠点に選んだのが大分空港。
 
 
早ければ2022年にも打ち上げが行われ、県内の経済効果は5年間で100億円以上と見込まれている。
 
 
――おおいたスペースフューチャーセンター 高山久信さん
「エンジニアが住むようになる、何十人も。ヴァージンのお客さんである人工衛星を作っている人たちが。そういう人たちが泊まるホテル、買い物するところ、食べるところも当然必要になってくる」
 
おおいたスペースフューチャーセンターの専務理事 高山久信さん。
 
この団体は大分空港が「宇宙港」として活用されることを受け宇宙産業に挑戦する県内企業などを支援しようと立ち上げられた。
 
高山さんは日本版GPSとも言われる衛星みちびきの開発などに関わり宇宙港の誘致にも尽力した。
 
――おおいたスペースフューチャーセンター 高山久信さん
「宇宙にかけて新しい地域おこしとかそういうチャンスを興していく、そういうところに来ているのかなと思う」
 
実際に宇宙産業に乗り出した企業も。
 
大分市の情報サービス企業オーイーシーは北九州の大学とタッグを組み、衛星のデータを防災に活用するシステムの開発をスタートさせた。
数値として送られてくる衛星データを高速で画像に変換して災害が発生していたり、その危険性がある場所をいち早く把握できるようにする。
 
 
――オーイーシー 野崎浩司さん
「例えばスマホで活用するところに行きつくまでには大量のデータを処理しなければならない。(衛星データは)地形の変化をとらえるのは非常に得意だと思うので防災などの分野では今後の役に立てていくことに繋げていけると思っている」
 
機運の盛り上がりは地元、国東市でも…。
大分空港には9月12日の宇宙の日に宇宙関連のグッズを集めたコーナーがお目見え。
 
 
――TOS藤田早織記者
「実際に国際宇宙ステーションで食べられているという日本食も並んでいる」
 
JAXAのオフィシャルグッズの記念ワッペンや宇宙飛行士が訓練時などに着る宇宙服のレプリカなど約100種類が揃っている。
 
 
――国東市民は
「地元・国東市民なので地元が盛り上がったらいいと期待している」
 
一方、国東市の商工会青年部は地域振興に繋げようと新たに団体を立ち上げた。
その名も「くにさき宇宙ミライ計画開発委員会」。
 
 
最初の取り組みとして、宇宙飛行士を講師に招いて市内の子供を対象にした講演会を計画している。
 
――くにさき宇宙ミライ計画開発委員会 田吹聡さん
「青年部らしく勢いをつけて行きたい。将来的には国東から宇宙飛行士を出そうというスローガンで取り組んでいく」
 
「宇宙への玄関口」が地元にできるという夢のような未来に向け、県内でも動きが活発化している。
 
(2021年9月取材)
 
 
藤田 早織記者

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