広がる“ぬい活” 美術館お泊り会やホテルの新サービスも「気分が上がる、頑張れる」大分
いま「ゾンビたばこ」と呼ばれる危険ドラッグが問題となっていて大分県内にもその脅威が迫っています。詳しく取材しました。
「ゾンビたばこ」。これは「エトミデート」という成分を含んだ危険ドラッグを称するもので、使用者は手足がしびれ、ふわふわと泥酔したような状態になります。
電子たばこで吸引ができ、若者を中心に広がっていて、中国のSNSでは、使用者がふらふらと街中を徘徊する様子が公開されました。
その姿がゾンビのように見えることから「ゾンビたばこ」と呼ばれています。
この成分の「エトミデート」は海外で麻酔薬や鎮静剤などとして使われていて国内では未承認の医薬品成分です。
このエトミデートを含んだ危険ドラッグの使用が沖縄などでも確認されていて、国は2025年5月に製造や使用、輸入などを禁止する指定薬物に追加しました。

「ゾンビたばこ」密輸全国初摘発
◆TOS山路謙成記者
「白い粉末状のこちらが押収された指定薬物。これらを液体に加工し電子タバコにして販売しようとした」
2025年7月には、インドから成田空港に届けられた箱の中からエトミデートの粉末、およそ100グラムが見つかりました。
届け先が大分市の20代の男性だったため県警などが捜査し、9月にかけて中国国籍の男3人を逮捕しました。
密輸事件としての摘発は全国で初めてで覚せい剤や麻薬と同様に依存性が強く健康被害を与えることから県警は注意を呼び掛けています。

エトミデートを使用・所持した疑いで逮捕された男「合法薬物だと思った」
◆県警 組織犯罪対策課薬物・銃器犯罪対策担当河野仁志さん
「健康被害だけでなく傷害事件や交通事故など他人を巻き込む事例も報告されていることから危険ドラッグについては購入・使用などすることが無いように注意してほしい」
ここで国内で検挙された事例を見ていきます。
沖縄では9月、エトミデートを含む液体を所持していたとして19歳の男が逮捕されました。
この男は大声で叫びながら暴れていたということで警察の質問に対して「支離滅裂な回答」をしていたということです。
また、8月三重で、エトミデートを使用・所持した疑いで逮捕された30歳の男は「合法薬物だと思った」と供述しています。

SNSでエトミデート販売か
警察庁によりますと指定薬物に追加された2025年5月から9月末までに「エトミデート」を使用・所持したとして摘発されたのは全国で14件で内訳は沖縄で10件、三重で3件、福岡で1件となっています。
また、摘発された容疑者の年代は20歳未満から30代の間に集中していて若者を中心に広がっていると言えます。
九州厚生局麻薬取締部によりますと若者を中心に広がる理由の1つにSNSがあるといいます。
エトミデートを販売しようとしているとみられる投稿には「最近流行りの笑気麻酔」「即レス対応」などと誘惑するような言葉が並んでいます。

こうした投稿から「ゾンビたばこ」を手にしてしまう若者が増え、更なる服用を求めて犯罪に手を染める悪循環が起きている可能性もあるそうです。
ただ、いまだ検挙数は少なく氷山の一角に過ぎないため県警などは販売ルートや密輸の方法などの捜査を進め、まん延の防止に努めたいとしています。
