登録者約5億人「フォートナイト」に“府内城” 江戸時代に焼失した天守閣を見事に再現 ご当地アイテムも

2025年04月12日 07:30更新

水上に浮かぶその姿から「白雉(はくち)城」とも呼ばれた大分市の「府内城」。

 

 

しかし、その天守閣は江戸時代に大火で失われたとされ、残された櫓(やぐら)や石垣などがその歴史を伝えています。

 

 

この府内城をメタバースと呼ばれるインターネット上の仮想空間に蘇らせた取り組みについて取材しました。

 

 

 

世界に登録者が約5億人 人気ゲーム「フォートナイト」に府内城登場

 

府内城は世界的な人気ゲーム「フォートナイト」のステージとして復元されました。

 

 

「フォートナイト」はオンライン上に集まったプレイヤーが参加して陣取りゲームなどの対戦を楽しむゲームで世界に登録者が約5億人いるともいわれています。

 

 

今回作られた府内城はゲームのフィールドの一つとして利用できます。

 

 

 

 

 

忠実に府内城の姿を蘇らそうと資料集めからスタート

 

このプロジェクトに取り組むのが大分市のまちづくり会社おおいた未来まちづくりの代表、渡辺翔太さんです。

 

 

渡辺さんたちが大分市中心部を盛り上げる方法を模索する中で目をつけたのが市場規模が年々拡大しているメタバースでした。

 

 

そして他県の事例などを参考にメタバースの一つであるインターネットゲームに着目。テーマに選んだのが府内城でした。

 

 

◆おおいた未来まちづくり渡辺翔太代表

 

「やはり外国の方とか、県外の人から見たときに、やっぱり府内城は一番大分市のシンボルとしてふさわしいのではないかという話になって」

 

 

府内城は、江戸時代の大火で天守閣が失われたとされています。

 

 

渡辺さんたちはできるかぎり忠実に府内城の姿を蘇らそうと、資料集めからスタート。

 

 

◆おおいた未来まちづくり渡辺翔太代表

 

「やはり実際に府内城がどれぐらいの大きさだったのかというところがしっかり資料として残っていたので、自分たちで実際に府内城を歩いて長さを測って」

 

 

そして東京のゲーム制作会社の協力も得ておよそ300年の時を経て復元させることができました。

 

 

 

 

 

石畳や看板など細部にまでこだわり再現 かかった制作費は2000万円

 

復活した府内城ですが、対戦が始まる前の待機画面は府内五番街の商店街が再現されているんです。

 

 

石畳や看板の一つ一つまで実際の五番街と同じように細部までこだわって再現されています。

 

 

かかった制作費はおよそ2000万円。いかに収益を得るかが課題でもあります。

 

 

主に2つの方法がありまして、1つはフォートナイトの運営会社からそのフィールドへのアクセス数に応じて支払われる配当金です。

 

 

もう一つがフィールド内に設置されたのぼりなどに協賛企業が広告を掲載することで得られる広告費です。

 

 

渡辺さんたちは、こうした形で収益を得る計画で、2025年2月に発表してから、徐々に利用は広がりつつあるようです。

 

 

こうしてゲームのステージとして復活した府内城ですが、どんなものなのか実際に代表の渡辺さんにプレイしてもらいました。

 

 

◆TOS渡辺一平記者

 

「では今からおおいた未来まちづくりの渡辺さんに府内城のステージでプレイしてもらいながらエリアの中を紹介してもらいます」

 

 

プレイする際は、まず2チームに分かれ、自分が使う武器を選びます。

 

 

そして、いよいよゲームスタートです。

 

 

フィールドを進んでいくと、今はなき勇壮な天守閣が見事に再現されていました。

 

 

城の内装にもこだわりがあるそうで・・

 

 

 

 

 

カボスとシイタケ 大分ならではのご当地アイテムも

 

◆おおいた未来まちづくり渡辺翔太代表

 

「戦国から江戸に移るそのあたりに築城され始めた城なので戦う城ということでけっこう急斜面とか急こう配になっている」

 

 

そして、天守閣の頂上まで登ることができました。

 

 

◆おおいた未来まちづくり渡辺翔太代表

 

「これが府内城の天守閣からの眺め。歴代の府内城の天守閣が焼けるまではこの景色をきっとここのお殿様も見てたのではないかなと」

 

 

また、フィールド内には、大分ならではのものも。

 

 

◆おおいた未来まちづくり渡辺翔太代表

 

「なんと!温泉があったりするんですよ。ここに入ると、体力が回復するので闘いの合間にちょっと体力ないなとなったら入って体力を回復してもらうという感じ」

 

 

実はほかにも大分ならではの部分があるんです。ご当地アイテムとしてカボスやシイタケがあって獲得すると、体力などが回復するといった機能があったり、ゲーム内のBGMには、滝廉太郎の荒城の月をアレンジした曲が使われていたり、大分らしい演出もあります。

 

 

このプロジェクトについて渡辺さんは収益化だけでなく、可能性を広げたいとして教育現場で活用してもらうことなども考えているようです。

 

 

メタバースを生かしたまちづくりに今後も期待が高まります。

 

 

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