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異色の経歴のアトツギ
元ラガーマンで元警察官という経歴を持ちながら家業を継いだ「アトツギ」がいる。
大分県日田市の平川智也さん。警察官としての訓練中にけがをして帰郷したところ、何と母が起業していた。その状況に最初はとまどいながらも、今、アトツギとして奮闘している。
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異色の経歴のアトツギ
日田市にある「シンシアリー」。この会社の2代目として活躍しているのが平川智也さん。平川さんは「シンシアリーは障がいやハンディを持った人を支援していく会社。金属加工だったり、農業だったり特性が違うのでその人にあった仕事を見つけ出しています」と語る。
実は平川さん、学生時代はラガーマンとして活躍し、大学卒業後は警察官の道を選んだ。しかし、訓練中の怪我により日田へ帰ることになった。「僕が警察を辞めて帰ってきたら母が起業してた。帰ってきてびっくりしましたね。社長って言って・・」と、当時を振り返る。
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戸惑いながらも母の会社へ入ることを決めた平川さん。
最初に取り組んだのは利用者のことを知ることだった。「これが得意、これが不得意だとかもあるので声をかけるタイミングだとか、強さだとかみんなの特性を見極めるところから入らしてもらって」と説明する。
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「輝ける場所」を見つける
様々な特性を持つ利用者と仕事をする中で、平川さんはやりがいを感じている。
「できる仕事を見つけた時、元々どこかで働いていて、自分ができないという気持ちから来る人もいるんです。その人が輝けるところ、この作業は得意だよっていうところがあるんです。それを見つけられた時の喜び、警察でも言えたことなんですけど誰かの役に立つことができたというので私はそれで喜びを感じます」と語る。
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新たに生み出したのはオリジナルの日本酒
利用者さんと共に、新たに生み出したのがオリジナルの日本酒「夢かなえ」だ。
平川さんは「金属加工で車の部品になるよ、電力会社の部品になるよって言っても結局シンシアリーの名前ってどこにもなかったんですね。誇りが欲しくて。自分たちは米作りをやってたので、地元の酒造メーカーさんにお願いして一緒に作らせてもらいました」と、その経緯を説明する。
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名前に込めた思い
酒造りに協力してくれたのが市内の井上酒造。当初は製造を委託するつもりだったが女性杜氏でもある井上社長から「一緒に造るよ」と声をかけられた。現在は米作りから仕込み、瓶詰めに至るまで全ての工程に職員と利用者が関わりながら造っている。
「夢かなえ」という名前にも思いが込められている。「よく社長が何のために働くのかと言うんですね。それは自分の夢や希望を叶えるためと。その言葉から取らせてもらいました」と平川さんは語る。
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母からも太鼓判
平川さんが家業を成長させるため今年度、挑戦したのが大分県のアトツギ支援プログラムGUSH!。専門家のアドバイスや他業種との交流を通じて、やりたいことは更に広がった。
「障がい者の社会参加、障害者もできるんだぞっていうのを見てもらえた。輝ける場所があるので、どんどん皆を発信していきたい」と意気込む。
そんなアトツギについて母親の加奈江さんも「入社した当時は本当にまだまだという感じだったんですけど。今回酒造りをしてもらって、合格ねって。いつでも私辞めていいねっていうのは感じ取れた」と太鼓判を押す。
また、商品開発にも意欲的だ。「今、試作的に何種類か作ってマルシェ出店とかもしているんです」と新たな挑戦を語る。利用者さんにとっても、自分たちが作ったものが形となって販売され、「美味しい」と言ってもらえることが大きな励みになっているという。
異色の経歴を持ちながらアトツギとして奮闘する平川さん。「仲間と共に輝ける場所」はさらに広がっている。
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