最低賃金954円に 10月5日から適用 従業員は「うれしい」経営者は「苦しい」 大分県内の反応

2024年10月04日 19:00更新

「954円」。これは5日から大分県内全ての労働者に適用される最低賃金の額です。従業員にとってはうれしい一方、経営者からは「苦しい」という声も…県内の反応を取材しました。

 

2024年8月、大分県内の最低賃金について議論を進めてきた審議会は現在の899円から954円とするよう大分労働局に答申しました。引き上げ幅は過去最大の55円です。

 

 

この最低賃金は10月5日から適用され、初めて900円台となります。

 

街の人は…

 

 

◆60代 男性

 

「物価が上がっているから、少し賃金も上がらないと生活が困ってしまう」

 

◆20代 男性

 

「(引き上げは)良かったと思うけど、もうちょっと上げてくれてもと思う」

 

◆30代女性

 

「地元の会社の事を考えると、その金額でも大変なところはあるのかなと思う」

 

 

 

最低賃金の引き上げに伴い、大分市のカフェ・「トロワルウ」でも10月からパート従業員の時給を最大60円アップしました。

 

 

◆パート従業員

 

「とてもうれしい。働く意欲がさらに増した」

 

 

その一方、経営者は…

 

 

◆トロワルウのオーナー 中晴 紀子さん

 

「世の中の事を考えれば本当にいい事だと思うが、私たち事業者にとっては原価も本当にびっくりするくらいに上がっているし、かなり苦しい。企業努力をしていかないといけないと思っている」

 

 

料理に使う米や野菜、スイーツ用のチョコレートなど様々な材料が値上がりする中、さらに従業員の時給を上げることは正直「苦しい」のが実情です。

 

そのため、「企業努力」に取り組んでいて、時間帯によっては従業員の数を減らして対応するなどの効率化を行っています。

 

ほかにも今後、イベント出店を増やすなどして、売り上げ確保にも努めるということです。

 

 

最低賃金の全国平均は1055円。

 

10月就任した石破首相は「2020年代に1500円への引き上げを目指す」としています。

 

今後も賃上げ傾向が続くとみられる中、企業側にはさらなる努力が求められそうです。

 

 

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