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土地の取引価格などの指標となる大分県内の地価調査の結果が17日、公表されました。
前の年と比べて価格がどれくらい変化したかを示す変動率は県内の平均で住宅地・商業地ともに上昇となりました。
商業地の平均変動率が上昇したのはバブル期以来、実に33年ぶりです。その理由を取材しました。
県は毎年県内およそ300か所の土地について7月1日時点の価格を公表しています。
前の年の土地の価格と比べてどれくらい変化があったかを示す変動率の平均は住宅地でプラス0.8%と3年連続で上昇しました。
住宅地で最も地価が高かったのは大分市金池南1丁目で1平方メートルあたり16万3000円でした。最高価格となるのは7年連続です。
一方、商業地の最高価格は大分市東大道1丁目で1平方メートルあたり42万2000円最高価格となるのは8年連続です。
県内の商業地の平均変動率はプラス0.1%でバブル期だった1991年以来実に33年ぶりの上昇となりました。
背景には、2023年5月の新型コロナウイルスの5類移行が大きく影響したと調査に携わった専門家は話します。
◆不動産鑑定士 脇坂敬規さん
「人流が一気に増加し観光地や商業地では人出が一気に増えた。収益性の回復、店舗需要の拡大を背景に今回大きく動いた」
中でもその影響が顕著にみられたのが別府市です。
◆TOS刀祢優月アナ
「私がいるのは鉄輪温泉街から歩いて10分ほど、九州横断道路沿いの場所です。こちらのファストフード店のある土地が県内で最も地価の上昇率が高かった」
こちらの別府市鶴見砂原は地価の変動率がプラス5.3%と県内で最も上昇しました。
観光客が戻ってきたことや周辺で道路の整備事業が進んでいることが上昇の要因だということです。住宅地、商業地ともに県内全体で平均変動率が上昇した今回の地価調査。
しかしながら、市町村別でみると変動率が上昇となったのは住宅地、商業地いずれも大分市、別府市、由布市、日出町の4つの市と町のみでした。
一方、13の市町村でいずれも変動率はマイナスとなっていて大分市やその周辺と他の地域の間で二極化が進んでいます。
◆不動鑑定士 脇坂敬規さん
「各市町村でも利便性の高いところと低いところ、人口が増加しているところ過疎地、二極化傾向はみられ、今後も事業再開発やそういった事業が見られるところはますますよくなるがめぼしい案件のないところは弱めの動きになると思う」
◆TOS山路謙成記者
「杵築市山香町の中山香駅からすぐの場所にあるあちらの場所の土地が県内で最も下落率が大きかった。この辺りは商店街だが人通りも少なく閑散としている 」
杵築市山香町野原は姫島村の松原と並んで変動率がマイナス2.8と商業地の中で最も下落しました。
以前は駅前商店街としてにぎわいを見せていましたが、少子高齢化などの影響で利用者が減り営業する店が少なくなったことなどが要因となっています。
◆地元の女性
「今はもうほんと…もうね、時代の流れはなんぼゆうてもしょうがないしね。私たちがここに来た当時ともう大きな違い/もうちょっと復活してもらいたいなと思って」
◆地元の男性
「食べ物から医療からそれが車社会になって、もうどこでも好きな大きなところに行くともうしょうがないことですよね」
33年ぶりに商業地の平均変動率が上昇となった一方で、拡大する地域間の差。
専門家は「大分市やその周辺以外の市町村では利便性の良い一部地域を除き今後も地価の下落傾向は続く見込み」としています。