新紙幣まで1か月 「負担」との声も ATM・券売機…県内でも準備進む 大分

2024年06月12日 19:30更新

新紙幣の発行まで1か月を切りました。
1万円札の肖像は大分県中津市出身の福沢諭吉から、渋沢栄一に。
5000円札、1000円札も新デザインとなります。

新紙幣の発行に伴い、街中のATMや券売機などの機械は交換が必要になります。県内の各方面の対応を取材しました。

7月3日、新しいデザインの紙幣の発行が始まります。
デザイン変更は20年ぶりです。

私たちの生活に関わる紙幣の刷新…様々なところで対応するための準備が進められています。


 

銀行では…

◆豊和銀行事務統括部 倉野誠一副部長
「7月3日、入金したときにATMの方はきちっと受け付けて手続きができるというような状況になっている」

豊和銀行では、県の内外あわせておよそ90台あるATMについて、2023年8月から新紙幣対応のものに入れ替える作業を進めてきました。
2023年12月にすべて完了したということです。


 

一方、メーカー側も対応に追われてます。
ATMを手掛けるOKIでは工場をフル稼働させ、商品を急ピッチで準備しています。

また、店舗の券売機でも新紙幣対応の準備が…券売機を扱う大分市の販売店には今、注文が殺到しています。

◆SOA大分 川野敏夫営業部長
「昨年から比較すると2倍、3倍以上の受注を受けている。メーカーサイドでは4、5か月、機種によっては半年くらいかかってしまう状況」

ただ、相次ぐ注文に納品が追いついておらず、新紙幣の発行が始まる7月3日までに対応が間に合わない店舗も多くあるということです。


 

大分市にあるこちらのラーメン店もそんな店舗の1つです。
対応が間に合わないため、新紙幣の利用を希望する客がいた場合は旧紙幣と両替して券売機を使ってもらうことにしています。

◆横浜家系ラーメン高崎家田村将治オーナー
「今使っている券売機は、現状では新紙幣は使えない。新紙幣対応にバージョンアップするには、プラス20万円の費用が掛かる予定」

こちらの店舗のオーナーの田村将治さんは他にも大分市内でラーメン店を2店舗経営しています。
券売機の新紙幣対応の費用はあわせておよそ160万円にも上ります。

材料費の高騰でただでさえ厳しさを増す中、店側にとっては「大きな負担」だと話します。

◆横浜家系ラーメン高崎家田村将治オーナー
「本来、かかる必要のない経費がいきなり出てきたので、ちょっと困惑している。これを売り上げで取り返すとなると、何か月分の売り上げかなと考えると怖い」


 

新紙幣の発行まで残りわずか…様々な準備が県内でも進められています。

さて、新紙幣の発行は7月3日から始まりますが、当日、手に入れることか気になるところです。

豊和銀行によりますと「初日の取り扱いは大分市内の限られた店舗のみになる」ということでした。

ただ「発行開始翌日には県内全体の店舗の窓口で新紙幣の両替に対応できるよう準備を進めている」と話しています。

 

最新のニュース