“おんせん県”なのに温泉がない…豊後大野市がスポーツ合宿で大にぎわい そのワケは?【大分】

2024年02月17日 08:00更新

スポーツと観光事業などを組み合わせる「スポーツツーリズム」。
このスポーツツーリズムに積極的な大分県豊後大野市の取り組みを取材しました。

プロ野球選手の自主トレや大学駅伝の強豪チームなど、この時期は温暖な気候を求めて多くのスポーツ関係者が県内を訪れます。

――TOS佐野格記者
「こちらは豊後大野市が去年、建設した全天候型の運動場です。きょうは三重県からきた大学の野球部が合宿を行っています」

豊後大野市が総事業費約3億8000万円をかけて整備した全天候型の運動場。
雨天はもちろん、夜間も利用することができるためスポーツ合宿を誘致する時のセールスポイントの一つとなっています。


 

――皇学館大硬式野球部 学生コーチ  西前伸一朗さん
「全天候型が決め手。そこが大きなところだと思う。すごく綺麗な施設を使わせてもらえて、グラウンドでも二つの大きい球場をお借りすることができてすごくキャンプとしてもいい感じとなっている」

――豊後大野市社会教育課 佐藤寿幸係長
「市民のスポーツ活動の場としての理由はもちろんのこと、市外からの誘客も含めて、それが地域の経済活性化に繋がれば良いと思っている」


 

チームを受け入れる宿泊施設も重要です。
「ホテルますの井」では利用客の要望を受けてさまざまな工夫をしています。

その一つが…

――学生
「むちゃくちゃうれしい」

スポーツ合宿といえば大量に出るのが洗濯物。
ホテルには合宿利用者のために専用の大型洗濯機や乾燥機が用意されています。

また、夜も気兼ねなくトレーニングができるように専用のスペースも確保されていて、こちらは無料で利用できます。

こうした細やかな心配りが、団体利用に繋がっているといいます。

――ホテルますの井 角田英之社長
「スポーツのタイプによっていろんな食事の提供に変えている。当然、アレルギー対応から、とにかくガッツリ食べる人たちまでやはり体作りのサポートをしてあげたい」


 

「波及効果」は市内のスーパーでも。
スポーツ合宿の団体客に弁当を提供しています。

――チコマートことぶきや 三浦芳行代表
「スポーツ合宿とかに来た人数分だから一回いけば40とか50とか。そうやって県外から来てですね、我々のところに発注があって、それで弁当作っていく。商売としてはありがたいなと思っている」

豊後大野市では今年度約7600人がスポーツ合宿で市内に宿泊すると見込んでいて「温泉が無い地域にとって貢献度は大きい」と話しています。

こうした地域の活性化に加え県民がスポーツに親しむきっかけにもつながっているスポーツツーリズム。
県の担当者は今後もさらに取り組みを発展させていきたいと期待を寄せています。

 

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