1万円札が福沢諭吉から渋沢栄一へ…諭吉の出身地・中津は一大事?『不滅の福澤プロジェクト』

2024年01月18日 12:42更新

ことし2024年に変わるもののひとつにお札があります。
1万円札の肖像は福沢諭吉から渋沢栄一へと変わりますが…
諭吉の出身地では今こそ偉業をPRしようと様々な取り組みを進めています。

大分県中津市。
県の北部に位置し、人口は約8万2000人。
市街地には城下町の風情が残っているほか、ここ最近はから揚げの聖地としても一躍有名になりました。
その中津市でから揚げ以上に愛されているのがこちら、福沢諭吉なんです。

福沢諭吉は中津藩士の子どもとして誕生。
「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」で知られる『学問のすゝめ』の著者として、また慶應義塾の創設者としても有名です。


 

1984年~1万円札の肖像に

 

おなじみの1万円札の肖像には1984年から起用されています。
当時は中津だけでなく大分県内全体が盛り上がりました。

Q.福沢諭吉の1万円札はどうか?(当時のインタビュー)
「とてもうれしい」
「使うときに出してみて、使いきれないんじゃないですかね。拝まないといけないみたいで」


 

しかし、ことしの7月、新しいデザインの紙幣の発行が始まり、1万円札の肖像は福沢諭吉から明治時代の実業家・渋沢栄一へと変更に…

中津にとっては一大事です。


 

『不滅の福澤プロジェクト』

 

――TOS梅田雄一郎記者
「2024年、1万円札の顔が変わります。中津市ではお札が変わった後も諭吉の功績を後世に引き継ごうと、駅前に大きな看板を設置しました」

――中津市・奥塚正典市長
「むしろ、このお札が変わるタイミングで、もう1回福沢先生の功績を皆によく知ってもらい『不滅の福澤プロジェクト』というような形で活動を中津市としても続けていかなければいけない」


 

こうして立ちあがった「不滅の福沢プロジェクト」。
地元の経済界なども巻き込んでオール中津で福沢諭吉のPRに励んでいます。

図書館には約2000人分の顔写真で作ったモザイクアートを展示しているほか、街のいたるところで福沢諭吉をアピール。


 

カレーと諭吉…

 

また、こんな取り組みも…
「福沢諭吉のカレースタンプラリー」

カレーと諭吉…
一体どんな関係があるのでしょうか。

『学問のすゝめ』の12年前に出版された「増訂華英通語」。
福沢諭吉の初の出版物で、英単語にカタカナの読みを付けて紹介しています。
この中で「コルリ」と紹介されているのがまさに「Curry」のこと。
これが日本に初めてカレーを伝えたものと言われています。


 

こうした諭吉とカレーの意外な関係をアピールしていこうと中津市内16の飲食店でスタンプラリーを実施しています。

「諭吉コルリ」では850円でカレー食べ放題という大盤振る舞いのメニューを提供しています。

ーー諭吉コルリ・菊池徹店長
「もう私たちにとっては、地域の偉大な先達というか、先人でありますので、福沢諭吉先生の名前が忘れられないような活動をしていきたいと思う」


 

郷土の偉人・諭吉の魅力を伝える大切な1年に

 

ほかにも、新しい1万円札の肖像となる渋沢栄一の出身地・埼玉県深谷市との連携に加え、ことしの秋には市民ミュージカルの上演も予定しています。

プロジェクトの関係者は今こそ多くの人に福沢諭吉の教えを伝えたいと意気込みます。

――福沢記念館・泉史朗館長
「福沢先生が生きた時代は、明治維新の激動の時代だった。同じような時代の中で、先生の教えが、今を生きる若者たちに少しでもヒントになれば」

お札の肖像は変わってもその偉業は変わらない…中津市にとってことしは郷土の偉人福沢諭吉の魅力を伝える大切な1年となりそうです。

 

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