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大分県内で林業に携わる人の数は、1980年には3275人、2020年には1683人と約半数に減っています。
担い手不足が課題となっていて伐採後に必要な“植林”の作業に手が回らないこともあるそうです。
人手不足の解決につながるのではと近年、注目されているのが「早生樹」。
「早く」「成長する」「樹木」の活用です。
細長い葉が特徴的な、早生樹・コウヨウザンの苗木。
スギやヒノキは苗を植えてから出荷できる大きさになるまでに50年ほどかかりますが…
早生樹は成長スピードが早く30年ほどで伐採できるため林業などの分野で注目されています。
日田市大山町のキヨタキナーセリーでは4年前から本格的にコウヨウザンの苗木の生産や販売を始めました。
ーーキヨタキナーセリー 清瀧毅会長
「コウヨウザンの一番の特徴は成長が早くて1回伐採されるとまた萌芽してくる」
林業では山のスギやヒノキなどを伐採した後、次の伐採や環境保全、防災の面からも植林が必要となります。
コウヨウザンは早く成長する上、切り株から新しい芽が自然に生えてくるため木を植える手間やコストがかからず、人出不足に悩む林業の救世主として大きな期待が寄せられています。
県は伐採後の植林で早生樹の活用を推進していて、購入費用などを補助する事業を行っています。
こうしたことから早生樹の苗木のニーズが高まりキヨタキナーセリーでは生産数を4年前の500本から、ことしは100倍の5万本にまで増やしました。
将来的には25万本を目指しています。
早生樹の普及を進める一方、成長後にどのように活用するかが新たな課題です。
ーー県森林整備室 河野賢一さん
「まだ成年した大きい木がないので需要だとか、その辺の検証をしっかりしていく必要がある」
この検証に取り組んでいるのが日田市の日本フォレストです。
バイオマス発電で使う木のチップの製造を行う一方、会社が保有する山で早生樹の生育を研究しています。
去年7月、4万7000平方メートルほどの敷地にコウヨウザンの苗木約4600本を植えました。
住宅用の建築材への活用が考えられるということで、日当たりや土の中の水分量の違いが成長速度や木材の強度にどう影響するかなどを調べています。
ーー日本フォレスト 水田和幸さん
「建材として使えるものではないかということで私どもの企業が率先的にこういった実証実験をして林業家や山主に(データを)提供して今後、再造林(植林)の樹種としてコウヨウザンを植え付けてというのをお願いしたいと思っている」
担い手不足が叫ばれる林業の救世主となるのか。
活用方法も含めて早生樹の今後に注目です。