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SNSなどを通じて若者にも広がっている大麻などの薬物。
薬物依存症で大分県内でリハビリに取り組む人に薬物の怖さについて聞きました。
大麻を巡っては俳優の永山絢斗被告が所持した罪で今月、有罪判決を受けました。裁判の中で検察は、永山被告が初めて大麻を使用したのは中学2年のころからと指摘しました。
また、最近は日本大学のアメフト部や東京農業大学のボクシング部の部員が大麻所持の疑いで逮捕されるなど、若い世代に大麻が広がっている実態が明らかになっています。
大麻は依存性や幻覚作用があるほか、「ゲートウェイドラッグ」と呼ばれていて、覚醒剤などほかの薬物への入り口になりかねない薬物です。
大分市府内町で約30年続く依存症のリハビリ施設「大分ダルク」。
ここには大麻や覚醒剤といった薬物などの依存症に苦しむ20代から50代までの男女10人が社会復帰を目指しています。
そのリハビリで欠かせないのが毎日行われるミーティングです。
ミーティングは依存症の治療法の1つ。過去の過ちと向き合い参加者全員に正直に話します。過去の自分を受け入れてもらい薬物を断っていくための大切な時間です。
――利用者(覚醒剤依存)
「昔の仲間を見返したいというか、今薬使っていないから胸張って堂々と街中を歩きたいという思いはある」
――利用者(覚醒剤依存)
「最初薬に手を出したのは18だったかな。10代の分別では先のことまでこんなに苦労する自分がいるとかは考えも及ばずに簡単に手を出してしまった」
ダルクの利用者が過去を振り返ります。
その中には20代の若者の姿もありました。
ーーAさん
「まぁ少しくらいならいいだろうという気持ちで若いころ13、4くらいのころから使い始めて・・」
20代の男性Aさんです。
13歳の時に大麻に手を出し10年以上続けた結果、日常が崩壊しました。
大麻依存症からの回復を目指すAさんです。
――Aさん
「先輩の家でたまっているところ、たまたま大麻があったというだけで。早いころに使ったから壊れるのも早かったというか、やっぱりドラッグを甘く見ていた。やめたくてもやめられない、暇な時間があったら吸ってしまう」
人生をやり直そうと1年ほど前にダルクの門をたたき、リハビリに励んでいます。
薬物による摘発は大分県内でも増えています。
大分県警によりますと去年1年間の摘発人数は106人、そのうち大麻は64人で過去最多となりました。
大麻で摘発された人のうち約7割が10代、20代の若者です。
以前は密売人と知り合うなどして購入するのが主な入手ルートだったため薬物の摘発は都市圏が中心でしたが、SNSの普及で県内でも手軽に入手できるといいます。
大分ダルクの利用者をサポートする施設長の藤川さんも長年、薬物依存に苦しんだダルクの元利用者です。
――大分ダルク施設長 藤川聡さん
「僕も薬物依存症で27,8年ぐらい苦しんで服役も2回ほど刑務所に行きました。でも 自分が依存症だってことに気づかなくて使い続けていた。大麻から始まってもっと強い薬物に移行してしまって気づいた時は抜けられない」
藤川さんはダルクに入所し克服、10年ほど前から大分ダルクで施設利用者のサポートを始めました。
薬物など依存症からの回復には年単位の時間が必要だといいます。
大分ダルクでは、季節のイベントを楽しむなどして利用者に新たな生きがいを見つけてもらうことを目的にサポートを続けています。
――藤川さん
「再使用してしまったりする利用者もいるが、そのときにやっぱり受け入れてあげるというか許してあげるというか。排除するの簡単だが、それでは回復していくというのとは違う」
ーーAさん(大麻依存)
「やっぱり自分一人の力じゃどうすることもできないのが薬物依存症。1回やったら1000回やっても足りないって思ってて、だから最初の1回に手を出さないように今頑張っている」
1度はまってしまうと抜け出すことが難しい大麻や覚醒剤などの薬物。
その怖さとは裏腹に手軽にSNSで入手出来てしまう現状があります。
その危険性についてもう一度認識することが必要です。
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