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JR九州の駅無人化を巡る裁判。
大分県内の障害者が自由に移動する権利を侵害されているなどとしてJRを訴えているこの裁判、原告の1人で視覚障害がある女性に話を聞きました。
JR駅無人化を巡る裁判
「JR九州の駅無人化に反対しています。私たちだけの力ではどうすることも出来ません。皆さんぜひ協力してください」(釘宮好美さん)
7月、大分市内で行われた街頭活動。
裁判への協力を求めていたのは新たに原告団に加わった視覚障害のある釘宮好美さん。
この裁判はJR九州が進める駅の無人化を巡るものです。
厳しい経営環境や人口減少などを背景に2018年から大分市内8つの駅の無人化が進められてきました。
7月までに、日豊本線では牧駅や高城駅など、豊肥本線は敷戸駅や大分大学前駅などが計画通り無人化されました。
こうした中、県内に住む車いす利用者が2020年JR九州を相手取り損害賠償を求める裁判を起こしました。
無人化は障害者が自由に移動する権利を侵害しているなどと訴えています。
ーー原告代理人 徳田靖之弁護士
「駅の無人化の問題は障害のある人たちだけの問題ではない。多くの人たちが安全に利用し地域の中で駅が果たしている役割を考えた時に、すべての市民にとっての問題だと思います。この大分の裁判を九州に全国に広げていきたい。それが私たちの課題だと思っています」
視覚障害のある女性が列車にはねられ亡くなる事故
裁判が進む中、2022年12月、津久見駅で高齢の女性が列車にはねられて亡くなる事故がありました。
原告側によりますと、女性は視覚障害がありホームから転落した可能性があるということです。
当時は駅員がいない時間帯でした。
この事故をきっかけに原告団に加わったのが、視覚障害がある釘宮さんです。
ーー視覚障害がある釘宮好美さん
「私たちは電車から降りる瞬間からすごく神経を使っている。歩くことに集中しているので、電車の放送案内が耳に入らない。いつはねられてもおかしくない。それだけの覚悟を持って使わないと利用できない状況。ただ駅員を今まで通り駅に戻してほしい。そこだけ」
JR九州は請求の棄却を求める
一方、JR九州は裁判で請求の棄却を求めていて全面的に争っています。
この中では安全に駅を利用できる体制を整えているとしています。
無人化した駅には、大分駅からオペレーターが遠隔支援を行う「スマートサポートステーション」が設置されています。
また、支援が必要な人については事前に予約をしてもらったうえで駅員を配備しているほか、列車の到着を知らせる放送なども行っているとしています。
7月に開かれた原告団による集会。
釘宮さんは多くの人に、この裁判に関心を持ってもらいたいと訴えました。
ーー釘宮好美さん
「もっと疑問に思ってもらい、市民全体で声を上げてどうにか私たちの世代で駅無人化を阻止していけたらと願っています」
無人駅の安全性や障害者への配慮義務の程度などが争点になっている今回の裁判。
裁判所の判断が注目されます。